レンタルビデオ

Prime Videoにない映画が観たくてTSUTAYAへ出かけたら、会計のときに来月閉店すると告げられた。今年になって実家の近くの店やよく行ったもう一店も閉店してしまったので、これでマイTSUTAYA BOXへの登録がゼロになった。VHSの時代から利用している者としては、レンタルビデオ店が次々になくなることは感慨深いが、時代の流れで仕方がない。いまはインターネットが繋がっていれば借りる必要がない。大概の映画がいつでもテレビやパソコンで鑑賞できる。
ドコモのキャンペーンで1年間Prime会員にさせてもらっているので、Prime Videoで古い作品を観ているが、久しぶりに『犬神家の一族(1976)』を観たら幾つかの発見があって面白かった。
ヱヴァンゲリヲンのタイポグラフィはこの作品を参考にしていた。BGMが『ルパン三世カリオストロの城』に似ていると思ったら、音楽担当が大野雄二さんだった。『TRICK』で矢部警部が決め台詞に使っていた「よしわかった」は、加藤武さん演じる警察署長のものまねだった。
続けて観た『砂の器(1974)』もよかった。字幕での状況説明やプロットが、『祈りの幕が下りる時』を思い起こさせたが、おそらくこの作品に影響を受けたのだろうと思う。
丹波哲郎さん演じる今西巡査部長が、捜査のために秋田、岡山、島根、石川、大阪などへ出向くのだが、映し出される風景が時代を感じさせて懐かしく、特に大阪駅では目を細めた。
この作品の見せ場は容疑者の断定から終映までのシークエンス。逮捕状請求の会議の場で今西巡査部長らが調査結果を語ると、幼いころの容疑者とハンセン病を患う父との放浪の旅が回想される。BGMは会議と時を同じくして開催されている、容疑者である作曲家のコンサートの演奏。コンサートの模様も織り交ぜながら、上映時間の半分をかけて丁寧に謎解きが行われる。