ふたたび福井出張。今度も寄り道をすることに。槇さん設計の図書館を訪ねるつもりだったが、インスタグラムのある投稿を見て気が変わった。
趣のある古い唐門の写真なのだが、何かで見た記憶があった。訪問地のリンクが貼っていたので飛んでみると、ほかに巨大な石積みや撮影セットのようなまち並みの写真。ブラタモリだ。録画を観るとやはりそうで、当時は福井へ行く予定がなかったので、すっかり忘れていた。
天気予報は雪。途中琵琶湖あたりは雪景色だったが、福井駅は降りも積もりもしていなかったので、大丈夫だろうと傘を持たずに出かけたら、一乗谷も雪景色で驚いた。福井駅からバスで30分移動しただけなのに。おかげで銀世界に浮かぶ唐門を堪能できたが、軌跡といわれている町家の遺構はすっかり雪に埋まり、各戸に設けられた笏谷石の井戸枠だけが姿を現していた。
復元されたまち並みはよくできていて、武家屋敷の高い塀が遠くまで続くさまは圧巻だった。見上げれば両側の峰が迫り、要害の地を実感した。領地は南北に1.7km。両端には敵の進入を防ぐための城戸があり、下城戸には背丈を超える石が積まれた城戸口が残っていて、見通せないようかぎ状に配置されたさまがとても美しかった。
唐門を遠く見ながら当時の栄華に思いを馳せ、信長に焼き払われたといわれる屋敷を想像した。