坂本龍一さんが亡くなった。享年71歳。ユキヒロさんに続き教授も旅立ってしまった。
教授の晩年はがんと共にあった。2014年に中咽頭がんが見つかり、2020年には直腸がんが見つかった。肝臓やリンパ節へ転移し、2021年には両肺へ転移。1年に6度も手術を受けた。
中咽頭がんの後、不摂生だった生活を改めた。運動をし、肉から野菜中心の食事へ変えた。腸の負担とならないよう食べ方に気を配った。それなのに直腸がんが見つかった。
ショックだったが、この時がんと共生することを決めたのだとか。「生きているからがんになる。このがんが消えても別のがんにかかるかもしれない。それは受け入れざるを得ない」
最後のオリジナルアルバムとなった『12』。デビッド・ボウイが死を悟り『Blackstar』を制作したように、教授も死を覚悟し制作したのだろうか。マイクが拾った音のすべてを聴きたいとハイレゾ音源を購入し、ずっとイヤホンで聴いていたが、訃報を受けてからは小さなスピーカーで聴いている。イヤホンから聞こえる呼吸音に涙が溢れてしまう。
でも教授はこちらの想いにはお構いなく、大村憲司さん、市川準さん、忌野清志郎さん、加藤和彦さん、大島渚さん、シーナさん、デヴィッド・ボウイさん、村上”ポンタ”秀一さん、高橋幸宏さん、鮎川誠さんなど、あちらの仲間たちと再会を果たしていることだろう。