胸なでおろす

建築士制度の見直しだが、どうやら再試験案はなくなったようだ。もし再試験になれば二級建築士降格と腹を括っていたが、これで仕事が続けられる。
業界団体は大臣へ反対意見書を提出した。一級建築士へのインタビューでは、「一人の過ちのために、全員が罰則に等しい処分を下されるのはおかしい」「同じ国家資格である医師などは再試験がないのに、なぜ自分たちだけ既得権を脅かされるのか」と猛反発。
一級建築士に構造および設備を専門とする資格を増設し、これらの資格が必要な場合は、確認申請書に建築士の記名、もしくは証明書を添付するという線で落ち着きそうだ。
ところで、黒川紀章さんがこの件について専門誌からインタビューを受けていた。ウンウン、そうそうと頷いたが、ひとつだけ納得がいかなかった。「建築士事務所は、能力や組織、資本金、保険加入の有無、代表者の資格、経験などを厳しく審査し、登録制でなく許可制にすべき」
うちのような零細個人事務所はいらないということか。先生のようにきら星の仕事ばかりしている事務所もあれば、下請で製図ばかりしている事務所もあるのだ。