草間彌生さん

NHK-BSで放送していた草間彌生さんのドキュメンタリー。3時間なのでチビチビ観ようと思っていたが、のっけから引き込まれて一気に観てしまった。
半ば隠居に入り、気が向いたら絵筆をとる程度と思っていたが、2m四方のキャンバスを1日で埋める。それを100枚こなし、休むことなく次の100枚に取りかかる。いやまいった。齢82にしてどこからそんなエネルギーが出てくるのか。普通ではない。人間ではない。
「ウォーホールもピカソも目じゃないわ。私のほうが天才よ」と言ってのける大胆不敵。そうかと思えば、「次の100枚を仕上げたらまたあのお菓子ちょうだいね」と子供のような目。彼女の頭の中はどうなっているのか。怖そうなので、入口にしっかり手をかけて覗いてみたい。
このような方なので、てっきり創作活動にしか興味がないと思ったら、ギャラリーに作品の値段交渉をし、さまざま広報活動もする。むかしは女性アーティストなど見向きもされなかったので、いかに自分を売り込むかが肝要だったそうだが、彼女にはその素養が身についている。
テートモダンとポンピドゥセンターのキュレーターがタッグを組み、来年にかけて欧米の一流美術館で大展覧会が催される。そこには100枚の作品も展示されるそうだが、観に行きたくてたまらない。彼女のほとばしるエネルギーを全身に浴びたい。