電力会社を関西電力から大阪ガスへ換えた。昨年原発絡みのおびただしい不正が発覚し、ほとほと関西電力に嫌気がさしていたが、当たり前のような存在だし、目に見える買い物ではない。そもそも電力自由化は不勉強なので、頭の片隅へ追いやっていた。
きっかけは朝日新聞デジタルの9/25の記事だった。国際エネルギー機関が上半期の発電を集計した結果、再生エネルギーによる発電が23.1%だったと書いていた。コロナのせいで電力需要が減少した影響もあるようだが、お上が第5次エネルギー基本計画で掲げた目標値22~24%を達成したので、理由はともあれやればできると実感した。一方同基本計画における原発の目標値は20%。コロナのなかった2年前の策定ではあるが、あと10年で14%も引き上げるなど到底無理だろう。再エネを考えているようでいて、お上の頭には原発がこびりついている。
記事における上半期の発電比率は、石油6.1%、石炭31.6%、天然ガス31.6%、原発6%、再エネ23.1%、その他1.6%。再エネの内訳は地熱0.3%、風力1%、バイオマス2.5%、太陽光9.0%、水力10.3%だそうだが、依然として化石燃料の比率が高い。大阪ガスの発電も72%が天然ガスだそうなので、未来を想うとよくないのだろうが、他を知らないので大阪ガスを選択した。
再エネだけの新電力会社が不安ということも理由だったが、9/28のニュースでさらに不安が増した。電力容量市場の第一回入札の結果、落札価格が1.6兆円にのぼったそうだ。
制度自体初耳で、ネットで少し調べただけだが、1.6兆円は発電所の所有比率に従い各電力会社へ分配されるそうなので、新電力会社は雀の涙しかもえらず、大手10社は濡れ手に粟となる。制度上仕方のないことかもしれないが、せっかくの電力自由化が崩壊するのではないか。
そもそもこの制度は必要なのか。電力供給を安定させるために、必要なお金を先払いしようということのようだが、東日本大震災のときでも皆が協力してやりくりしたのではなかったか。今回落札価格が想定の1.5倍だったそうだが、果たしてこの先うまくいくのだろうか。
お上が電力会社へ支払う1.6兆円は、国民負担として毎月の電気代に上乗せされて、そのまま電力会社の財布に入るようだが、お金があるとまた善からぬことに使うのではないか。