ごみ空気輸送システム改

外がうるさいので見てみると、収集車がごみを吸引中。新システムの収集をはじめて見た。
ごみ空気輸送システムが廃止されて3年。改修されてこの度復活した。各棟各階にある収集口へごみを投入し、1階まで自然落下は変わらずで、既存設備を利用する。改修前は落下したごみはそのまま処理場まで空気輸送されていたが、改修後は各棟ごとに設けたタンクへ貯められ、週に2回収集される。タンクには寄りつけないので、離れたところに収集口を設けてパイプでつなぐ。その間30mほどだが、タンク内のごみは自ら収集口へ移動しないので、ごみ収集車に強力なバキューム機能を持たせ、タンク内のごみを吸引するようだ。だから収集車は巨大な掃除機と同じ。
このシステムは特別につくられたものかと思っていたが、新明和工業のテクノキュームという既製システムだそうだ。入札資料によれば、新明和工業が25.6億円で落札している。
設備には耐用年数がある。ごみ空気輸送システムは40年間稼働した。ほかにも同様のシステムを導入している自治体は両手ほどあったようだが、現在も稼働しているのは3か所のみ。そのひとつは芦屋浜だが、代替システムを模索している模様。維持管理費の上昇や、電気代の上昇によるランニングコストの増加など、継続が困難となる要因は設備の老朽だけでないようだ。
改修された設備にも耐用年数はある。伊丹市は同じシステムを利用していたが、20年経って廃止したそうだ。大阪市は耐用年数を18年と定めていて、それを過ぎれば面倒をみないそうなので、おそらく伊丹市のように廃止となり、パッカー車での収集に切り替わるのだろう。
ごみ空気輸送システムが廃止されたあとは、普通ごみ専用のごみ置き場がつくられ、週に2回ごみ出しをしていたが、大したことではなかったので、そのまま続けてくれてよかった。でも使い慣れた、便利で快適で衛生的なシステムを手放したくないと思う住人の要望により、25.6億円かけて設備を改めた。芦屋浜のゴミパイプライン協議会の資料によると、使用期間30年の場合、テクノキュームによる収集に85.5億円、パッカー車による収集に39.7億円と試算。規模が異なり一概に比べられないだろうが、後者のほうがお金がかからないことは間違いなさそう。