ブレードランナー2049

大山崎山荘美術館で『有元利夫展』を鑑賞し、桂川まで足を延ばして『ブレードランナー2049』を鑑賞。大阪でもよかったが、山崎に近いこちらで。大画面のULTIRAが楽しみだった。
監督はドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ブレードランナー』を穢さないか心配だったが、昨年観た『メッセージ』がとてもよかったので、やってのけるだろうと期待をしていた。
見どころはたくさんあったが、何はともあれデッカードとレイチェルとガフの登場に喜び、アナ・ステリンの存在に驚いた。シルヴィア・フークスは『鑑定士と顔のない依頼人』で好印象を持ったが、本作では憎々しい悪役ぶり。でも『鑑定士と顔のない依頼人』でも悪役のようなものなので、この方は悪役に向いているのだろうか。『オデッセイ』で好演だったマッケンジー・デイヴィスは、本作でも個性的な役柄が印象的だった。
最後は思わず目頭が熱くなった。Kが絶命するシーンのBGMは『Tears In Rain』。雪がしんしんと降る中、階段に横たわり静かに息絶える。本作には『ブレードランナー』へのオマージュが散りばめられていたが、やはりこのシーンが一番だろう。
音楽はハンス・ジマーとベンジャミン・ウォルフィッシュ。前作を継承するノイジーで不穏な楽曲は、座席や壁を振動させるほど響き渡り、それだけでも高揚した。はじめは『メッセージ』でも協働したヨハン・ヨハンソンが担当していたが、方向性が合わずに交代したのだとか。