吉岡徳仁と黒田辰秋

行こうと思っているうちに会期終了した吉岡徳仁さんのガラスの茶室。延長すると知り、喜び勇んで出かけた。場所は将軍塚の大舞台。京都市内が一望できる展望デッキで、青龍殿に正対して配されている。シチュエーションはよかったが、肝心のガラスの茶室はメディアで見た時ほどの感動を与えてくれず。ガラスでないパーツの存在が遠慮ないからだろうか。踏み石や床に使われたガラスの塊のほうが美しく、そればかり眺めていた。
ロームシアター京都へ移動し、吉岡さんの講演を拝聴。作品紹介だけの軽い内容だったが、メディアでお見かけしている通りの出で立ちとお声が確認できてよかった。作品のせいか人柄のよさか、それとも京都だからか知らないが、きれいなお姉さんがたくさん来ていた。
最後は美術館「えき」KYOTOで『黒田辰秋』展。河井寛次郎記念館や日本民藝館にある家具は行くたび目にするが、他は知らなかったのでひとつひとつが新鮮だった。
チラシを見て楽しみにしていた『金鎌倉四稜捻茶器』はまさかのエントランスに。自動ドアが開いた正面にあり、モノクロの部屋の中で朱色が際立っていた。螺鈿作品もすばらしく、メキシコアワビの螺鈿は翡翠のような美しさ。老舗菓子舗『鍵善良房』の調度品は堂々たるたたずまいで、次回京都へ行くときに訪れたい。