黒田泰蔵さんの白磁

大阪市立東洋陶磁美術館で黒田泰蔵展を鑑賞。はじめて黒田泰蔵さんの作品を観たが、思いのほか感動を覚えなかった。どれも美しいとは感じたが、それだけだった。
削ぎ落された作品には作為があるが、それを知ってしまうと白ける場合がある。無知のまま鑑賞させてくれればよかったが、作者の言葉が必要だと思ったのだろうか、「円筒について」というテキストがふたつ掲示してあったが、これが難解というか意味不明というか、脳味噌の足りない私にはさっぱりで、すっかり萎えてしまった。濱田庄司さんのお弟子さんで島岡達三さんという方に弟子入りされていたそうなので、白磁以前の陶器なども観てみたい。
せめて装丁好きとして図録をと思ったが購入しなかった。図録で5千円もすれば造本が凝っているものだが、大版で頁数があるので5千円かかったというふうにしか見えず。白磁に対峙したと思しきカバーは、つや消しかと思ったら中途半端なつやあり。

こちらは常設展示の国宝『飛青磁 花生』。黒田さんの白磁と比べられるものではないだろうが、私にはこちらのほうが好ましい。観るたびに心が動く。ため息がこぼれる。