好きのありよう

安西カオリ著『ブルーインク・ストーリー』。新しいエッセイ集だと思い手に入れたが、前作『さざ波の記憶』の改編だった。前作は水丸さんのほかにも様々な題材を取り上げていたが、本作では副題の通り水丸さんのみ。前作から10編と、書...

大谷石の床

雑誌『民藝』第820号の表紙は木喰上人自刻像。日本民藝館で開催中の『日本民藝館改修記念 名品展I』に出品されているそうだ。この上人様はまだ拝見したことがなく、他にも名品がたくさん出品されているので観に行きたいが、東京へは...

安西水丸さんの原点

安西水丸著『青の時代』。水丸さんが亡くなって7年、ようやく復刻された。これまでオリジナル版(1980)、新装版(1987)、文庫版(1999)の3種類が発行されているが、現在はいずれも品切れ状態で、プレミアがついて高額と...

リーチ先生

背表紙の厚さに尻込みし、ずっと積読していた。はじめての原田マハさん。美術にまつわる著書が多いので、何者だろうと思っていたのだが、目が回るような経歴をお持ちで、バイタリティあふれる方のようだ。兄が原田宗典さんだそうなので、...

呑気症

松家仁之著『泡』。3年ぶりの新作は青春小説。帯には最初にして最後とある。はじめての出版社の連載で、これまで書かなかったものを書くことにしたそうだ。学校へ行けなくなってしまった東京の男子高校生が、遠くでジャズ喫茶を営む大叔...

さざ波のような

文・安西カオリ、絵・安西水丸『さざ波の記憶』。水丸さんの娘さんの随筆集。雑誌に掲載された9編と書き下ろし12編。合い間に水丸さんのブルースケッチが彩りを添えている。水丸さんが大好きだった珈琲やカレーのこと、民藝や灯台のこ...