Carte

寒風吹き荒ぶなか恵文社一乗寺店へ。お目当てはロベール・クートラス展。昨年末『暮らしの手帖』で紹介されていたのを見て衝撃を受けた。それは石井一男さんの絵を観たときと同じ感慨だった。石井さんの絵もクートラスさんの絵も、背景が...

なみだをふいたら、ごはんにしよう。

料理は人を幸せにするといわれるが、飯島奈美さんのつくる料理ほど当てはまるものはないと思う。飯島さんはフードスタイリスト。テレビドラマや映画に登場する料理を作る。『消えもの』と呼ばれる脇役の料理を、みごと主役級の座まで押し...

普通の住宅、普通の別荘

中村好文さんはじめての作品集。とはいえそこは中村さん、いかにも建築家の作品集でございといった偉そうなところは微塵もなく、他の著作同様に中村さんの人柄が表れている。だから作品集というよりは、いつもの軽妙な読み物を読んでいる...

落とし前をつけた

1Q84 BOOK 3読了。まさか牛河が割って入るとは。人物が細かく描写されていて3人の中でいちばん楽しめた。村上さんは「登場人物をできるだけ丁寧に造形した」と言っていたが、牛河の場合は丁寧を超えて愛すら感じた。これが村...

西川美和さん

カバーに惹かれて手にとれば、帯には白衣を着た笑福亭鶴瓶。そういえば、医者の役で映画に出演したと言っていた。でも役者の鶴瓶さんは知らないので、まったく気に留めなかった。その映画の監督が書いた小説ということで、読んでみればな...

1Q84

本が売れないと聞いて久しいが、村上春樹さんには関係がないようだ。間もなく100万部に達するだろうし、品切中の札を掲げる書店が後を絶たないとか。数年前から噂されるノーベル文学賞や、カフカ賞やエルサレム賞の受賞、来年公開され...