TOKYO SKY TREE

仕事場のそばで東京スカイツリーが建設中。これからジャックと豆の木よろしくどんどん伸びていく。戻るときにはどれくらい立ち上がっているだろうか。

荷造り

明日からまた東京へ出稼ぎ。今日は荷造りをしていたが、半年分の暮らしのために、切り詰めても段ボール箱ふたつ。出稼ぎするのはかまわないが、荷作りがとても面倒なのだ。
マンスリーマンションにしてほしかった。家電を含め生活道具がすべて揃っている。だから持っていかずにすむし、向こうで買わずにすむ。
向こうで買うものはこちらにもあるわけで、戻るときに処分しなければならない。もったいないし環境にもよくない。買うためにお金を払い、処分するためにお金を払う。ばかばかしい。
得意先の社長はそういうところにまったく理解がない。マンスリーマンションは月に13万円もかかるので、普通に部屋を借りたほうが安い。家電は事務所のを持っていけばいい。こんな考えの方。それでは事務所の家電はどうするのだろう。

横濱ウィンナー

ラジオで聞いたライブ音源にしびれ、すぐにアルバムを手に入れたが、そのライブの模様が収録されたDVDが発売されていると知り、喜んで手に入れた。
ライブは『ワルツを踊れ―Tango Walzer』というアルバムを引っさげて行われた。ウィーンにあるウィーン・アンバサーデ・オーケストラと共演した曲が収録されているのだが、このライブのためにはるばるウィーンからやってきて、すばらしいアンサンブルを披露してくれた。『ワルツを踊れ』の収録曲だけでなく、『ARMY』『WORLD’S END SUPERNOVA』『惑星づくり』『GULITY』なども演奏され、オーケストラを取り入れたアレンジがとても素敵だった。
サポートメンバーでは、ドラムのあらきゆうこさんがかわいい顔をしてテクニシャンだった。正確に拍を刻む振りをして前後にアクセントをずらす。『WORLD’S END SUPERNOVA』では、ジェフ・ポーカロのシャッフルばりに軽快なリズムを刻み、コーラスのザ・サスペンダーズカスタムはノリノリだった。岸田さんと佐橋さんのギターの掛け合いも見ごたえがあった。
岸田さんがうれしそうに話していた。「31年生きてきたけど、多分、3歳くらいからずっとこういうことがやりたかったんやと思います」

永久にバブル

東京都庁は竣工から19年経つそうで、あちこちでガタが出はじめているそうだ。メンテナンス費用のことで都が頭を抱えているとニュースが伝えていた。
建物を長く保つためにはメンテナンスが必要だが、東京都庁は高さ243m、床面積190,000m2もあるモンスター。これだけの規模になると簡単にはいかない。
たとえば外壁目地。外壁の石と石の間に雨水が入らないように充填する材料だが、太陽光や風雨にさらされ続けると隙間ができる。そこで材料を充填し直すわけだが、この建物の場合総延長は148kmに及ぶとか。大阪から名古屋まで。作業員は気がふれるかもしれない。とりあえず試験として部分的に作業を行うそうだが、それでも10億円かかるそうだ。ほかにも、外壁や窓ガラスを掃除するためのゴンドラ18基の更新に10億円、窓のブラインドはすべて電動なので、更新するにせよ手動式に替えるにせよお金がかかる。金食い虫があちこちに巣食っているわけだ。
お金がかかるのはメンテナンス費用だけではない。当時は最新だった機能が現在ではそぐわなくなり、最新機能を導入するために80億円かかるとか。でも最もお金がかかるのは、給水、排水、換気、空調など設備のメンテナンス。向こう30年で必要な費用は1,000億円にのぼるとか。
丹下さんいまごろ雲の上で、「まいったなあ」と頭をポリポリ掻いているかもしれない。

徳島

仕事でお世話になっている方の結婚披露宴に出席したが、驚いたのは参列者の数。総勢160名。こんなに大勢の披露宴ははじめてだった。彼と奥さんは2人だけで式をあげ、披露宴はしないと決めていたそうだが、「日ごろお世話になっている方たちにお披露目しないでどうするんだ!」と、彼のお父上が幹事となり準備されたそうだ。
そのお父上と、披露宴の前夜に2人きりで飲んだ。ちょうどいま徳島で仕事をしていて、お父上の会社に手伝ってもらっている。お父上とは数回電話で話しただけでこの日が初顔合わせ。学生のころから空手を続けているという躯体はがっしりしていて、性格もとても真面目でまっすぐな方。通りの少ない深夜の赤信号もぜったいに渡らない。そんなお父上が、何度も人付き合いの大切さを説いていた。「いま私がこうしていられるのはまわりの皆さんのおかげ。だからあいつから披露宴をしないと聞いた時、とんでもないって叱り飛ばしてやりました」
出席者の半数が仕事仲間とお父上の空手仲間というユニークな編成だったが、空手仲間が披露する型や、他にもさまざまな余興があり、とても楽しい披露宴だった。
朝から披露宴の時間までどう過ごそうか考えたが、徳島ははじめてなので何も浮かばなかった。仕方がないので、映画で観た眉山に登ったり、徳島城跡を歩いたりしたが、それでも時間が余ったので、部屋へ戻り長風呂と『天地人』を楽しんだ。

伊勢詣

パワースポットとして注目を集めていると聞いていたが、今日は元日かと思うほどの混雑ぶり。三が日をはずせば悠々とお参りできると思っていたのに。
神宮には何度か訪れているが、今回はいつもと違う。内宮、外宮はもちろん、月読宮など別宮にもお参りし、内宮で御神楽を奉納、御遷宮のために御奉賛もさせていただいた。
伊勢詣のことは友人から聞かされた。彼にとって日本一の建築は神宮の御正殿で、日本の御祖神をお参りすることは当たり前だと言う。そう熱く語られて素直に納得した。
御神楽は初穂料によって舞の数が変わる。金額が高ければ高いほど舞の数が増える。いやらしいが仕方がない。名称は御神楽、大々神楽、別大々神楽、特別大々神楽と凄みを増す。
最小の初穂料は1.5万円。零細個人事業主にはこれが精一杯。4人の舞女による倭舞のみ。でも終わってみれば、人長舞や舞楽まである別大々神楽を捧げていただいた。
これは多額の初穂料を奉納した企業と同じ組だったから。日本の頂点なので、全国から多くの企業が御神楽を捧げに来るが、気風の良い企業と同じ組になれば、自分が奉納した初穂料以上の福をいただける可能性がある。おかげで幽玄の世界を堪能させていただいた。
御遷宮の御奉賛とは平たく言えば寄付。20年ごとに建て替えられるお宮の建設資金として奉納する。御神楽と異なり千円から受け付けてもらえ、もれなく素敵なチケットがついてくる。
御正殿は四重の御垣で囲われていて、一般参拝者は御垣の中に入ることはできない。でもこのチケットがあれば、御垣のひとつ中からお参りすることができるのだ。
中重鳥居の前に立ち、御白石が続く先にある内玉垣南御門を見つめると、御垣の外の喧騒が消えて厳かな気持ちになる。ちなみに、この参拝にはスーツとネクタイが必要。
年のはじめに身の引き締まる行いをすることで、一年が素敵なものになるような気がする。たとえ気のせいだとしても、伊勢詣はずっと続けていくことにしようと思う。