和歌山までイームズ展を観に行った。イームズ展は、3年前にサントリーミュージアム天保山で開催されたが、今度はヴィトラが主催なので、違った趣向になるということだった。
会場が和歌山なのでためらった。来年3月まで待てば大丸ミュージアムで鑑賞できる。でも誰かのブログに書いていた。「天井高さを利用した特大パネルを展示しているが、あれは大丸ミュージアムでは不可能だろう」「レイ・イームズの引き出しコレクションにワクワクした」。
南海電車でトコトコ一時間かけてたどり着いた和歌山は、素朴でのどかな街だった。駅前にはむかしながらの商店街があり、むかしながらの八百屋や花屋や金物屋が軒を並べていた。
しばらく歩くと中華そばのノボリを発見。思い出した。和歌山といえば和歌山ラーメンだ。道行く人に美味しい店を聞きだし、山為食堂の暖簾をくぐった。こってり豚骨と薄口しょうゆのスープが絶品で、とろとろのチャーシューを載せて食べる白飯は格別のうまさだった。
イームズ展は、3年前の感動には及ばなかった。世界を巡回した大回顧展という割には小さくまとまり、展示物もほとんど知っていた。特大パネルも大したことがなかった。とはいえ、プライベートな書簡、カザムマシン、シェルチェアやシェーズロングの金型など、はじめて見るものがあったし、レイ・イームズの引き出しコレクションもよかった。レイが実際に使っていたキャビネットの引き出しと中身を、この展示のために作られたチェストに入れて展示していた。人形やインクビン、布地、クシ、クリップ、ペーパーなど、引き出しを開けては楽しんだ。