ながら聴き

ソニーの新しいワイヤレスイヤホンは、タイプでいえばオープンエアー。でも耳穴に挿入せず、覆っているように、当てているように見えるので、骨伝導イヤホンの類でもあるような。
密閉にはしないということで考えたのが、ドーナツのようなドライバーユニット。発想はおもしろいし、それがデザインにもなっている。技術が先かデザインが先かは知らないが、新しいイヤホンのかたちが誕生したわけで、ティーザーを打つほどの快挙と考えているのだろう。
でもこのイヤホンは売れるだろうか。密閉やノイズキャンセルが全盛の中で、周囲の音が聞こえるということはこちらの音も周囲に漏れるわけで、それでは電車などの中では使えない。
YouTubeにそのあたりのレビューがないかと漁っていると、ソニーの動画が現れた。つけているのは目の不自由な方で、『Microsoft Soundscape』アプリとのコラボレーションだった。
Microsoft Soundscapeとは、3Dオーディオ技術を用い、移動を支援したり、街歩きを楽しむことができるアプリだそうだ。3Dオーディオで周辺の環境を認識することができるので、新しい発見をしたり、不慣れな場所をより快適に移動することを支援してくれるとのこと。
動画の中の目の不自由な方は、音声案内された花屋や雑貨屋、ラーメン店を訪れていた。曰く、寄り道をする選択肢がなかったが、このアプリのおかげで真っ暗闇に灯りがついたようだ。このイヤホンだと周囲の音も聞こえるので、状況を遮断せずに新たな情報が得られる。
ほかにもARを利用したスマホゲームとの協働がはじまっているそうで、純粋に音楽を聴くだけではない、ソニー曰く「ながら聴き」のためのイヤホンなのだとか。