あの頃も今もいつだってビックスマイル

ビッグマックのCM『あしたも、笑おう。』を見て驚いた。佐藤竹善さんが歌う『I feel Coke.』が流れたかと思ったら、映像も1980年代のコカ・コーラのTVCM『I feel Coke.』に似せたつくり。異なるのは映像が現代であることと、コカ・コーラではなくビッグマックであること。

日本マクドナルド株式会社は、1971年の創業以来「最強の組み合わせ」として多くのお客様にご愛顧をいただいている 「ビッグマック」と「コカ・コーラ」のコラボレーションCMとして、コカ・コーラ社の伝説のCM “I feel Coke”の楽曲を使用した新TVCM・ビッグマック「あしたも、笑おう。」篇を、7月9日(火)より放映いたします。
この“最強の組み合わせ”を象徴するTVCMとして、ビッグマックとともに笑顔が咲き誇る爽やかな映像と、 コカ・コーラ社の伝説のCM“I feel Coke”の楽曲が融合した“ビッグマック「あしたも、笑おう。」篇”を7月9日(火)から放映いたします。
懐かしいメロディーだけでなく、乃木坂46 五百城茉央さん・俳優 和田雅成さん・俳優 中島瑠菜さんといった新世代の俳優の出演にもご注目ください。

オリコンのYouTubeチャンネルにある映像を見たのだが、上記引用はその映像の概要欄のテキスト。
楽曲使用だけでなく、映像も似せたつくり。ローラーブレード、鉄棒、サッカーボール、リズミカルに歩くスーツ姿の女性たち、弓道、サックス、ラクロス、野球……。極めつけは、ケン・ブレニスさんに似せようとしたのか、黒縁メガネのキャラクターがいたが、そこまで似せてどうしたいのだろう。懐かしむ年代により訴えようとしているのか。そして、若い世代には乃木坂46のメンバーをあてる。コメント欄を読むと、ファンと思しき人たちのコメントで埋められていた。
コラボレーションCMとあるのにコカ・コーラが見えないが、カップに入っている飲み物がコカ・コーラというのであれば、それはコラボレーションではない。そもそも「最強の組み合わせ」と一方的にこじつけ、コカ・コーラの伝説のCMにあやかろうとする姿勢は痛々しい。誰が発案したのか。

丸善ジュンク堂書店ネットストア

新しくできた『丸善ジュンク堂書店ネットストア』を覗いてみたが、あまりの素っ気なさに吹き出してしまった。HTMLを覚えたての新米ウェブデザイナーがつくったのだろうか。でも『honto』のウェブデザインもいまいちなので、まったく驚きはしなかった。
驚いたのはMyページ。名前や住所などが表示されていた。はじめて訪れたウェブサイトなのに、ログイン状態になっていた。honto IDを利用できるというので、開設前にアカウント登録を済ませておいたのだが、ずっとログイン状態になっていたということか。セキュリティは大丈夫なのだろうか。
honto IDを利用するのであれば、『honto』に登録してある「ほしい本」が引き継がれているかも、と期待したのだが、こちらの「ほしい本」のページは真っ白だった。淋しいので近日購入予定の書籍を登録してみたが、一覧ページを開いて驚いた。これはPOSシステムの管理画面か何かだろうか。新米ウェブデザイナーではなく、ウェブデザインを学ぶ専門学校の生徒がつくったのだろうか。
なぜ一覧ページに書籍のカバー画像をつけないのだろう。つければカバー画像を確認するために詳細ページへ飛ばずに済む。ひと手間減る。一覧ページから詳細ページへ飛ぶとき、間に素っ気なさの究極のようなページが挟まれているが、あれは必要なのだろうか。
詳細ページに表示される実店舗の在庫状況は引き継がれていたが、My店舗に登録してある店の在庫しかわからなかった。『honto』ではさらに全国の在庫状況を確認できるようになっていて、My店舗になくても隣りの市や県に在庫が確認できたりして、とても重宝した機能だった。My店舗が5店舗までしか登録できないが、大阪市内だけでも5店舗を超えてしまう。『honto』ではもっとできたのに。
問い合わせをすると返事が届いた。「ほしい本」などの機能は秋以降に『honto』と連携されるそうだ。でも連携とはどういうことだろう。電子書籍だけになった『honto』は利用しないので、すぐにでもアカウントを抹消したいのだが、連携ということは残さなければならないのだろうか。

Windowsでの新しい体験

U-NEXTで映画を観ていると、突然モニターいっぱいに現れた。全画面表示なのでタスクバーは隠され、右上に×ボタンもない。サポート詐欺と同じ手口。天下のマイクロソフトなのに。
Windows 10のサポート終了は2025年10月14日だが、なぜこのタイミングなのか。すべてのユーザーが同じタイミングで現れたわけではないようなので、どのような仕組みになっているのか。
ESCキーを押すと消えてしまったので、詳細情報を確認できなかったが、ネットを検索すると大したことはなかった。うちのデスクトップはWindows 11にアップグレードする条件を満たしていないので、新しいPCを購入するよう促されるだけのようだ。
でも前に投稿したとおり、タスクバーの仕様が変更されてしまい、仕事に支障をきたすので、Windows 11にはアップグレードできない。Windows 10で終了すると言いながらWindows 11をリリースするような団体なので、そのうちWindows 12をリリースするのだろう。タスクバーが元に戻る可能性は低いだろうが、とりあえずそのときまで放っておく。

フェリシモチョコレートミュージアム

シネ・リーブル神戸で『Ryuichi Sakamoto | opus』を鑑賞。『odessa』を体験するためにこの映画館を選んだのだが、残念ながら音のよさはわからなかった。109シネマズ大阪エキスポシティの『SAION』は音がよいと感じたので、こちらにも期待していた。
いくらハイスペックな音響設備を導入しても、シアターの空間がよくなければ性能を発揮できないのだろうか。『SAION』のシアターはきれいなかたちをしていたが、『odessa』のシアターは平面が五角形で、柱が1本飛び出し天井も高くなかった。

シートは見たことのないタイプだった。リクライニング機能が備わっていたが、ストッパーがついていないので、姿勢を少しでも変えると倒れた。張地は織物でなく合皮のようなテクスチャ―なので、動けばキュッと音がした。アクション映画であれば気にならなかったかもしれないが、静かな作品なので気になった。独立した肘掛けや、広いシート間隔はよかった。
シートのメーカーはスペインのフィゲラス社だそうだ。映画館のウェブサイトで紹介されていた。系列館『新所沢レッツシネパーク』で好評を博したそうだが、本当だろうか。

次に訪れたのはフェリシモチョコレートミュージアム。junaidaさんの絵本『ひと粒のチョコレートに』(福音館書店 2023)と、絵本『ともしび』(サンリード 2024)の原画展が行われているそうで、市立伊丹ミュージアムで特別優待券をいただいていた。
ミュージアムはフェリシモ本社ビルの2階にあった。セルフレジで800円を支払い、受付で注意事項の説明を受け中へ入ると、暗がりの中チョコレートの香りが漂っていた。
空隙クッション素材に包まれたアクリル板の容器に、カカオ豆の種皮を満たしたインスタレーションだそうだ。”ピラミッドの内部のツタンカーメンの眠る、霊安室のような、宇宙へのつながりを感じる、神秘性のある空間となっております”──容器をつくったアーティストのコメント。
このミュージアムは展示区画ごとに名前がつけられていて、この区画は『prelude』。

次の区画は『creative walk』。コレクションのパッケージを展示する区画だそうで、現在はイタリアのカファレルに関する展示が行われていた。展示内容は定期的に変わるようだ。
他に人がいなかったので左右にジグザグ進んだが、混んでいるときは展示ケースに沿って一方通行となるだろうから、次へ進むためには1.5往復しなければならないだろう。
この施設はプランや動線に難があるようだった。エントランスホールではチケットカウンターが入口から最も遠い場所にあり、ミュージアムショップの平台の横を通らなければならなかった。チケットを購入すると反対側の受付で注意事項の説明を受けたが、その受付は入口を入ってすぐの場所にある。混雑時に備えた配置なのかもしれないが、他に案はなかったのだろうか。

次の区画は『art square』。絵本『ひと粒のチョコレートに』の展示が行われていた。

撮影は全体のみで、アップは不可とのことだった。文章がついていたからだろうか。
絵本の原画の展示では、文章のついた絵本でもその文章は省略されていることが多いが、この展示では絵本と同じ位置に文章がついていた。額のカバーの内側に透明な板を仕込み、その板に文章を貼ってあるようなのだが、スポットライトのせいで文字に影ができていた。まさに影文字の状態なのだが、文字も影も黒なので読みづらく、途中で読むのをやめてしまった。
次の区画『imagination picnic』には、図書コーナーや板チョコの撮影スポットがあった。

次の区画は『symphonic forest』。壁4面とも床から天井まで収納が造りつけられ、国内外のチョコレートのパッケージが収められていた。ショコラティエやチョコレート関係者、一般からの寄贈によるもので、その数12,000点以上にも及ぶそうだ。
収蔵庫の可視化というコンセプトは面白く、見ごたえのある区画ではあったが、保護のためなのか照度が低く、目の悪い私は十分に楽しむことができなかった。

次の区画は『island gallery』。絵本『ともしび』の展示が行われていた。
インテリアに茶色が多いのはチョコレートミュージアムだからだろう。それが図らずも落ち着いた上品な雰囲気をつくっていたが、メッシュ天井は似合わしくなかった。ミュージアムはあとからつくられたようなので、いかなるプランにも対応できるようにとの設えだろうか。
ビルの設計は石本建築事務所、デザインアーキテクト&インテリアはEight Inc.だそうだ。後者はアメリカの会社で、アップルストアの多くを手掛けているようだ。

カーペットはこの展示のために設えられたようだが、グレーの壁もだろうか。モノクロの原画が引き立っていた。原画はサイズが小さいので見えづらく、文章は端から読まなかった。

文章を読めないことが面白くないので絵本を購入したが、見事術中に陥ったか。

フェリシモビルの向かいに建つ神戸ポートミュージアム。junaidaさんの絵本『世界』のカバーに描かれている王冠のようにも見えるが、六甲の地形の成り立ちを表しているそうだ。
ウォータージェット仕上げの外壁の色が帯状に異なっているのは、六甲山と瀬戸内に浮かぶ西島の2か所で採取した骨材が使用されているからだそうで、山と海を表しているそうだ。

オーシャンビューホテル新旧。手前は『神戸みなと温泉蓮』(2015)、奥は『神戸メリケンパークオリエンタルホテル』(1995)。時代や社会、経済は異なるが、後者には思想が感じられる。

屋内スキー場のようなこちらは『GLION ARENA KOBE』だそうだ。GLION(ジーライオン)に覚えがあった。築港赤レンガ倉庫でクラシックカーの展示やステーキ店を営む会社だった。

Ryuichi Sakamoto | opus

ご自身の安息を祈るために演奏しているようだった。”まるで坂本龍一のプライベートなレクイエムにお邪魔しているかのようだ”とのレビューが公式サイトにあるが、その通りだと思った。
2022年の配信より曲目が増えていた。ベルナルド・ベルトルッチへ捧げたという『BB』や『for Johann』は初披露ではないだろうか。後者はバッハへ捧げた曲なのか、それともヨハン・ヨハンソンへ捧げた曲なのか。アルヴァ・ノトとの共作『Trioon』の演奏をはじめて見た。
配信のときは平気だったが、この日は悲しみや寂しさが表れた。序盤の『Solitude』で涙がこみ上げ、『Aqua』で堰を切ったように涙や鼻水が流れてしまった。マスクをしていたので流れるまま放置していたが、終映後照明が灯ると一目散にトイレへ駆け込んだ。
上映館は音にこだわりのある映画館ばかりだったが、選んだのは独自の音響システム『SAION』を導入した109シネマズ大阪エキスポシティ。他に『Dolby Atomos』や『odessa』導入の映画館があったが、『Dolby Atomos』上映館は部屋が大きすぎたりプレミアム感が目に余った。
109シネマズ大阪エキスポシティを選んだのは、系列の109シネマズプレミアム新宿には教授が監修を行った『SAION―SR EDITION―』が導入されているから。新宿へ行くことはできないが、せめて同じシステムで鑑賞したいと思った。『odessa』はテアトル梅田で経験しているが、あの映画館は部屋のつくりがよくないので、性能が発揮されているかは疑問。でもシネ・リーブル神戸の『odessa』は未経験なので、この機会に経験してみたいと思う。
画像はもぎり台でもらったポストカード。ウラ面にはセットリストが掲載されているが、気が効いているのは収録アルバムがジャケット画像つきで紹介されていること。感心した。