エンターテイメント

映画を2本はしご。非常事態宣言下で観ることができず、すでに終映しているだろうとあきらめていたが、調べるとまだどちらも上映していた。
1本目は『ジェントルメン』。大阪は終映していたので塚口サンサン劇場へ。
監督のガイ・リッチーは、前作『アラジン』でてっきり夢の国へ行ってしまったと思っていたが、原点回帰、クライムアクションで現実世界へカムバック。デビュー作で血気盛んだった若者が、20年を経てジェントルになったということか。
たしかにマシュー・マコノヒーは紳士だった。振る舞いが洗練されていると感心したが、モダンな英国衣装のおかげだろう。スーツはオーダーメイドだそうで、上質な素材と色柄の組み合わせがすばらしい。右腕のチャーリー・ハナムはカジュアルだが、ネイビーコートにツイードベストの組み合わせが印象的。そのコートから自動小銃を取り出し威嚇発泡する姿は格好よかった。コリン・ファレル率いる不良更生チームの揃いのジャージは、スーツ生地をキルティング加工してつくったオーダーメイドだそうだ。ヒュー・グラントは胡散臭さが際立つ革ブルゾン。
物語は、ヒュー・グラントをストーリーテラーに仕立て、テンポよくセンスよくまとまっていた。エンドロールで流れたザ・ジャムの『ザッツ・エンターテイメント』にニヤリとした。あとで知ったことだが、スティングの娘が出演していた。麻薬に溺れた令嬢の役。個性的な容姿だと思って見ていたが、知ったあとでは親父に瓜二つ。
2本目は『アメリカン・ユートピア』。数年前ノンサッチ・レコードのインスタグラムで知った。YouTubeで紹介映像を観て興奮し、ショーを収録したアルバムを聴いて感激した。映画化すると思っていなかったので、日本公開を知ったときはうれしかった。
ショーのために誂えたと思しき緞帳が上がりはじめると、ステージを縁取る玉のれんが同調して上がっていく。脳の模型を机に置き、席に着くデヴィッド・バーン。曲がはじまりしばらくすると、2人のダンサーが玉のれんをかき分け入ってくる。奥隅には玉のれん越しにギタリストのシルエット。早々にやられた。ここまでですでに100%高揚している。
67歳のデヴィッド・バーンは上手いが、ミュージシャンたちの演奏もすばらしい。楽器はギター、ベース、シンセサイザーと複数の打楽器だが、どの楽器にもケーブルが繋がっていないので、ステージを自由自在に駆け回ることができ、ミュージシャンは演奏しながら踊っている。
デヴィッド・バーンは脳の進化やコミュニケーション、選挙、人種問題などについて語りかける。フィナーレの『Road To Nowhere』ではキャスト全員が客席へ降り、♪僕たちは楽園へ繋がる道の上にいる♪と練り歩く。107分間ずっと楽しかった。魂が震えた。
塚口サンサン劇場でもう一度観たい。『ジェントルメン』の上映前に予告が流れていた。あとで観るのでと気を抜いていたが、たしか『爆音上映』と書かれていた。スピーカーを臨時に増設し、音響をよくしようという企画だそうだが、観終えた今なら言える。「爆音で観たい」。東京ではすでに開催されているそうで、通常上映より圧倒的にすばらしかったそうだ。今日は席に無頓着だったが、次は最後列に席を取り、気兼ねなく爆音のなか揺れてみたい。
パンフレットは買って損なし。紙よく印刷よくもちろん内容よく。湯浅学さんのコラムが◎。

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