神棚には天照大神、氏神、崇敬する神社の神様をお祀りするそうだが、さてうちの氏神はどちらだろう。崇敬する神社はどちらがよいのだろう。
氏神はその土地の神様のことだが、うちは埋立地で土地の歴史が古くないし、そもそも神社がない。一番近くで6キロも離れているが、これで氏神といえるのだろうか。
そもそも氏神とはお家がお祀りする神様。たとえば藤原家が春日大社をお祀りするように。でもいくら探してもネットに情報はなかった。みんな興味がないのだろう。仕方がないので、広く大阪の民に愛される住吉大社を氏神とすることにした。広義すぎるが遠からずだろう。
次に崇敬する神社。お社が好みの神社ならいくつもあるがそうではない。仕事がうまくいきますようにと建築の神様を調べたが、聖徳太子や木の神様、地鎮の神様ばかり。
崇敬する神社。心から崇め敬う神社……ひとつあった。三ノ宮にある一宮神社。私の名を授けてくださった神社で、幼少のころ親しんだ神社。崇敬する神社にふさわしいだろう。
というわけで、罰当たりは覚悟の上で30数年ぶりに一宮神社を訪ねた。名付け親の神主様はすでに他界していたが、親父と同級の現神主様にお会いし、私の知らない親父との昔話や、空白の時間の出来事などを聞かせていただいた。
神主様に教えていただいた、一宮から八宮を巡る『八社巡拝』三ノ宮という地名は三宮神社が由来であることや、八社はその中央にある生田神社と深いつながりがあり、当時の皇后である神功皇后が、朝鮮出兵の帰りに参拝した順序で名付けたらしいことなど勉強になった。