丹波古陶館

民藝好きと言うくせに、このような施設が近くにあることを知らなかった。恥ずかしい。
この地で商いを営んでいた旧家の当主が、80年に亘り代々蒐集した古丹波を展示していて、そのうち300点余りは県指定文化財に指定されているとか。柳宗悦さんや濱田庄司さん、バーナード・リーチさんも訪ねられたと、ちょうど在館していた三代目の館主さんがおっしゃっていた。
今年は開館50周年だそうで、ちょうど企画展『古丹波百撰展』をやっていたが、平安時代から江戸時代まで、よく見る大壺が並ぶ様は圧巻でため息がこぼれた。自然釉や灰釉は知っていたが、呉須やスリップ、窯変などもあり、江戸後期に生まれたという白丹波にうっとりした。

修繕されて日が浅いのか、壁のしっくいはまぶしいほど白く、石畳や柳が映えて美しかった。倉敷民藝館に似た風情があり、久しぶりに大原美術館とともに訪ねたくなった。
この施設のある場所は、河原町妻入商家群として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているそうで、歴史を感じるまち並みが素敵だった。すっかり長居をしてしまい、隣接する篠山能楽資料館にも立ち寄ったので、まちをゆっくり散策できなかったが、次回は篠山城跡や旧役場や長屋門を訪ねてみたいし、お土産に黒豆を買って帰りたい。