昨夜の『新美の巨人たち』は和田誠さん。清水ミチコさんが『多摩美術大学アートアーカイヴセンター』や『たばこと塩の博物館』を訪ね、和田さんの作品を振り返っていた。
『和田誠展』への出品を期待している『夜のマルグリット』も登場。多摩美在学中に日宣美賞を受賞した作品だが、イヴ・モンタンの似顔絵やレタリングなど、このときすでに和田誠スタイルが確立されている。描き文字がファイルにストックされている映像が流れていたが、毎度いちから描いているわけではないということか。説明が足りずよくわからなかった。
今日は映画『真夜中まで』と『怪盗ルビイ』を観た。『怪盗ルビイ』はブルーレイを持っているので何度も観ているが、『真夜中まで』ははじめて観た。一昨年DVDを手に入れていたが、その頃はバタバタしていたので観る気が起きなかった。
劇場公開は2001年だが、古いせいなのか演出なのか、全体を通してアクションが緩いので、タイムリミットサスペンスなのにハラハラせず。でも撮影へのこだわりは変わらず強く、冒頭の立体駐車場から向かいのジャズバー店内へ至るワンカット撮影に舌を巻いた。
主演は真田広之さんとミッシェル・リーさん、汚職刑事に岸部一徳さんと國村隼さん、潜入捜査官に柄本明さん、車を盗まれるカップルに唐沢寿明さんと戸田菜穂さん、ジャズバーのカップル客に大竹しのぶさんと高橋克実さん、テレビを見ている普通の人に三谷幸喜さん、トラック運転手に六平直政さん、深夜営業の店員にもたいまさこさん、路上生活者に名古屋章さんなど、重要な役からカメオ出演まで贅沢で華やか。他の作品とも和田さんの人望の厚さを物語っている。
『怪盗ルビイ』では新発見があった。食卓場面で、母親の背後に映る棚に『芹沢銈介全集』が収まっていた。不明瞭なのだが、うちにある実物と比べると、書名や丸紋と思しき図の位置、色違いの数種類の帯が同じなので間違いないだろう。でもなぜ芹沢さんなのか。登場人物や物語とは繋がりがないので、母親の趣味という設定か。そうであれば、装飾さんが用意した小道具ではなく、和田さんの私物なのではないだろうか。もしそうなら小躍りしてしまう。