太陽光発電

午後はオンラインセミナー。昨夜堀部安嗣さんのインスタグラムで知り、ぎりぎり滑り込んだ。野池政宏さんが開発した省エネ計算ソフト『Energy ZOO』が主催。野池さん、堀部さん、倉敷で工務店を営む阪口英樹さんによる、「太陽光発電との向き合い方を考える」というものだったが、堀部さんがソーラーパネルをどのように捉えているのか興味があった。
野池さんは研究者の立場から、2050年のカーボンニュートラルに向けた試算を行い、達成への具体を示されていた。結論の数字は不勉強でわからない部分があったが、省エネと創エネで家庭部門のエネルギー消費量をおよそ半減させることが必要というくだりはその通り。野池さんが提唱する『1985アクション』に通じることだろう。この提唱には共感している。
堀部さんは、ソーラーパネルを載せる予定の計画物件を紹介。腰屋根に載せたものや、一般的な屋根を覆うものまでさまざま。そんなに取り組んでいたのかと驚いたが、パネルが見えない工夫をしているそうだ。パネルを載せた住宅の既成概念を覆す断面の提案もしていた。
阪口さんは野池塾の生徒だそうで、『1985アクション』の地域アドバイザーを務めているそうだ。自然素材を用い温熱環境の優れた住宅を手掛けているが、『1985アクションナビ』の判定がなかなかよくならないので、関心のなかった太陽光発電を導入することにしたそうだ。
その数10年で175棟。パネルはパナソニックのHITで屋根は平瓦。金属屋根もあるが、ビスが防水層を破っても、説明書通りの施工で雨漏りはゼロだそうだ。堀部さんも『扇ガ谷の家』を例に挙げ、瓦屋根の場合に用いる二重空気層や、防水層を張りまわせば雨漏りは防げるだろうと。
最後は受講者からの質疑応答。蓄電池について阪口さんが答えていたが、太陽光発電の達人でも蓄電池の導入実績はないそうだ。5.6kWhで160万円もし、実質10年しか持たないので、いまはまだ太陽光発電やエコキュートを勧めたいとおっしゃっていた。
いまの家庭用太陽光発電は理不尽でしかない。省エネに貢献しようと思い立ったか、それとも甘い話に飛びついたか、とにかく高いお金を支払い設置したが、昼間は家を空けているので自家消費率は平均30%。省エネどころではない。元を取るためにも残りの電気を電力会社へ売電するが、買電の資本は月々の電気料金に上乗せされる『再生可能エネルギー発電促進賦課金』。太陽光発電設備を所有していない者もkWh当たり3.36円支払わされている。野池さんはそう捉えるのはよくない、それでは省エネは進まないとおっしゃるが、筋が通っていないことは確か。
とはいえ、太陽光発電を毛嫌いしているわけではない。電力会社をよく思っていないので、可能であれば頼りたくない。蓄電池を安く手軽に導入できるようになれば、ソーラーパネルと組み合わせて自家消費率100%。エネルギーの自給自足は夢ではないだろう。そうなれば電力会社は発電量を減らすことができるので、原発は必要なくなるだろう。