いつからか左手の人差し指が痛む。骨折でも突指でもなく切ったわけでもない。曲げることもできる。音が出るわけではないが、曲げた時に「ピキッ」という感覚がたまにある。
常に痛いわけではないのだが、靴ひもを結ぶとき、洗い物をするとき、蛇口をひねるとき、掃除機をかけるとき、服を脱ぎ着するとき、靴下をはくとき、スマホの画面に触れるときに痛む。無意識のうちに、あらゆる場面で人差し指を使っているのだ。
試しに1週間ほど湿布を貼ってみたが、まったく改善しないので仕方なく病院へ行った。近所の外科は頼りにならないので、ネットで評判のよさそうな病院を調べて出かけた。
仕方なくというのは、おそらく原因を突き止められないと思ってのことだが、やはりその通りになった。レントゲン写真に骨の折れやひびは見当たらず、筋も痛めておらず、炎症も起きていなかった。先生は手の関節模型を使ってレクチャーしてくださり、おそらく知識を総動員して診察してくださったが、原因はわからず、テープを処方されて診療は終わった。
いったい何なのだろう。骨や肉に異常がないのであれば、神経に異常があるのか。痛覚に問題があるのか。ここまでくれば素人にはお手上げ。指を固定して様子をみるしかない。
テープでは曲がってしまうので、完全に固定するための製品をAmazonで探したところ、様々なサポート製品が売られている。スポーツ選手がよく着けているものや、外反母趾を防ぐもの、ばね指なる症状用のサポーターなどもある。肩こりや腰痛くらいしか知らないが、世の中にはじつに様々な痛みと闘う人たちがいる。私の痛みなど大したことはないのかもしれない。