細野晴臣週間

佐渡岳利監督が細野さんのことをマスター・ヨーダと形容していたが、現在の伸ばした白髪を後ろへなでつけている姿はなるほど似ている。ご本人を眺めながら大きく頷いた。
本日公開の『SAYONARA AMERICA』。落ち着いてから観るつもりだったが、劇場のウェブサイトを訪ねてみれば、本日舞台挨拶があるというので即予約。上映後、ちわきまゆみさんに紹介され、監督と共に登場した細野さんは、黒のセットアップにナイキのスニーカー。御年74歳。
2019年5月にニューヨーク、6月にロサンゼルスでライブを行った細野さん。2019年の映画『NO SMOKING』にその様子が少し映っていたが、本作ではほぼすべてを収録。2月にライブ音源が発売されたが、演奏がとてもよくお客さんも盛り上がっていて、映像を観たいと思っていた。
スケッチ・ショウやHAS、HASYMOのあと、ポップスやカントリー、ブギウギなどアメリカの音楽を探求した細野さんは、『FLYING SAUCER 1947』から『Vu Jà Dé』まで、10年にわたり4枚のアルバムをリリース。このライブはその総まとめという思いがあったのだろうか、「アメリカの古い音楽へ感謝するためにここに来ました」と言っていた。
大盛況だったが、ステージへ上がるまでは不安だったそうだ。日本人がアメリカの音楽をアメリカで演奏して客が入るのか。でも髪を緑に染めた若い女性から熟年夫婦まで、細野さんのファンはたくさんいた。「人生で一番アメリカを感じた夜だった」とのコメントも。
現在の映像も挿されていて、この2年について語っていた。リセットされてしまい真っ白だと言っていたが、2年ぶりに持ったというギターを爪弾き、「音楽はおもしろい。音楽は自由だ。マスクいらないから」とのこと。今後は未定と言っていたが、そのうち何かしてくれるだろう。
エンドロールは、RADIO CITY MUSIC HALLの映像を背景に、セルフカヴァーした『Sayonara America, Sayonara Nippon』。さよならアメリカ、ニッポンもさよなら。
今度のプロモーションで、細野さんは1週間大阪に滞在したそうだ。松本隆さんの『風町オデッセイ2021』の翌日大阪へ入り、その夜MBS『ヤングタウン日曜日』に生出演。AERAの連載がご縁だったのだろう。翌日は安藤忠雄さんと『こども本の森 中之島』で対談したそうだが、なぜこの2人なのかがさっぱりわからない。日曜日にFM COCOLO『Whole Earth RADIO』でその模様が放送されるそうなので、馴れ初めが聞けるだろうか。そして昨日は『細野観光1969-2021』のオープニングセレモニー。展覧会のアンバサダーゆりやんレトリィバァと一緒だった。
仕事の合間には天神橋筋商店街を端から端まで歩いたり、阪堺線に乗り住吉大社をお参りしたそうだ。中之島の雰囲気もとても気に入ったそうで、大阪に住みたいとおっしゃっていた。