先の耐震偽装問題を受けて、違法行為に対する罰則が厳しくなったが、どうやら建築士制度の抜本的な見直しも行われるようだ。予想はしていたが、その内容が面倒なことになりそう。
一級建築士にもう一度試験を受けさせ、合格すれば引き続き一級建築士の座を与え、不合格なら新設する準一級建築士、あるいは二級建築士へ降格させるというのだ。
これはたまらない。15年前、独学ではぜったいに受からないだろうと、大枚はたいて予備校へ通ったが、何度もくじけてあきらめそうになった。でもそれでは授業料をドブに捨ててしまうと、一発奮起してなんとか手に入れた一級建築士免許。それを剥奪されるかもしれない。
おそらく次は受からない。あのときとは異なり脳細胞は衰えているだろうし、いまさら暗記などできない。きっと中年や老年建築士の暴動が起こるにちがいない。
素案にはこんなことも書いている。意匠、構造、設備をそれぞれ専門資格化し、試験に合格した真の一級建築士だけがすべてを統括することができる。言い換えれば、下級資格者は意匠、構造、設備のいずれかに特化していればいいということか。
この際確認申請書の様式も変えればよい。意匠、構造、設備それぞれの設計者をきちんと書くべきだ。そうすれば責任がはっきりして悪いこともできないだろう。
いずれにせよ、お上は性急な結論を出さず、実務者のことを考え熟慮してほしい。