夏の陽と秋の風

9月も終わりだというのに30度を超える日がある。今年はたしかに異常気象だ。でも陽射しはきつくても空を見上げれば雲は高く、イワシの群れも泳いでいる。夜ともなれば、開いた窓からは涼しい風がそよぎ、いよいよ秋の音楽が恋しくなる。
買い物ついでにCDショップへ寄ると、新譜コーナーに『Sara Gazarek』の名前を見つけたので手に取った。オリジナルアルバムではなく、ドイツの『triosence』というピアノトリオのアルバムで、彼女がゲストヴォーカルとして参加している。日本版ではボーナストラック2曲を含め全曲彼女が歌っている。だからこれは『triosence』のアルバムではなく、サラのアルバムだと言ってしまいたい。それほど彼女が引き立っている。
曲はすべてオリジナルだそうで、バラエティに富んでいる。洗練されているが、どこかしら田舎の風景を想像する。お陽様を浴びながら聴きたいアルバム。ジャケットで女性が座っているのはグランド・キャニオンだそうだが、アルバムを聴きながら眺めれば大草原にも変容する。