生誕300年記念 若冲展

生きているうちに二度と観られないかもしれない『動植綵絵』を拝もうと、ずいぶん前から休みを決め込み、待ちに待ち焦がれた展覧会。行列必至に違いないと一番の飛行機で飛び、1時間前には会場に着いたが、すでに長蛇の列で3時間待ち。なんということか。
ようやく会場へ入れても、どこも通勤ラッシュのような混雑ぶり。いま火事が起きたらきっと逃げられない。『動植綵絵』が展示された円形の部屋では、鑑賞者がパチンコ球の製造装置のように幾重にも連なる始末。この若冲ブームはどうしたものか。
気が失せたので帰ろう。閉館まで居ようと遅い飛行機をとっていたが、それまで待てない。東京駅へ行き新幹線に飛び乗った。車中で勢い『伊藤若冲動植綵絵』と『伊藤若冲大全』を購入したが、大阪へ戻ってもまだ怒りが収まらないので、連れを呼び出しネオン街へ消えた。