上田義彦さんの新しい写真集。『at Home』―13年間の家族の記憶。
ご本人が撮影したご家族の写真を収めたものだが、驚いたのは、上田さんの奥様は桐島かれんさんだったということ。いま流れているお茶のCMを見るたび、あいかわらずおきれいでと眺めていたが、結婚していて4人のお子さんまでいらっしゃったとは。
写真はかれんさんのお腹がふっくらしている場面からはじまる。お子さんが生まれ、ハイハイし、ヨチヨチ歩き、遊んで、笑って、泣いて……日々成長する4人のお子さんたち。
かけがえのない時間がモノクロームの写真に切り取られていて、時々添えられるかれんさんの日記も味わい深い。そして巻末に書かれた上田さんの言葉に泣ける。
写真の中で家族がほほ笑んでいる。一刻、一刻、過去となり、忘れ去られてしまう運命にあるなんでもない日常のなかに、二度と見ることの出来ない大事な小さなほほえみがある。写真はそれを鮮明に記憶してくれる。(中略)それより誰かがちょっとうれしそうな顔をしているのを見つけると、そそくさとカメラを手にとる。だから自然とアルバムの中には、小さなほほ笑みがたくさんつまってゆくのだろう。悲しみは忘却のかなたへ、ほほ笑みはアルバムの中へ
at Home