フィンランドデザイン総括

唯一の撮影可能スペース。奥のテキスタイルはフィンレイソン。アルテックは申し訳程度。
街の書店へ行く用事ができたが、他に何かないかと調べたところ、兵庫陶芸美術館にて『ザ・フィンランドデザイン展』を開催中。明後日までだったので滑り込んだ。
ヘルシンキ市立美術館の特別協力のおかげなのだろうか、グラフィック、写真、家具、ガラス、陶磁器、絵画、テキスタイル、玩具などさまざまな分野のプロダクトが一堂に会し、まさしくフィンランドデザインを総括する内容で、見ごたえのある展示だった。
タピオ・ヴィルカラのガラス作品をまとめて観ることができ、ナニー・スティルという方のガラス作品も色とかたちが美しかった。ルート・ブリュックは陶板が1点とモザイクが3点。モザイクのほうはどれも初見だった。伊丹での展示で結構な数のモザイクを拝見したが、いったいどれほどのモザイク作品があるのだろうか。ルート・ブリュックとタピオ・ヴィルカラが夫婦だったことを知らなかった。タピオ・ヴィルカラがラップランドを愛したことも。
テキスタイルではマリメッコとフィンレイソン、リュイユという伝統的なラグの現代版も素敵だった。暗い色調なのに温もりを感じた。最終章はトーベ・ヤンソンが中心だった。
兵庫陶芸美術館は9年ぶり2回目。ここにも書いたが、前回は散々だった。電車組は駅からバスに乗るのだが、往復とも5本/日しかないので、美術館での滞在行程が限定されてしまう。
開館時間に訪れたので、鑑賞時間は2時間しかなかった。案の定時間が足りなくなり、もうひとつの丹波焼のほうは留まることなく回遊。ショップはどこかの雑貨店がやっているらしく、アラビアのユーズドなど気になるものがたくさんあったが、吟味する時間はなかった。
図録だけでもと手にしたが、表紙がネットで見たものではなかった。エリック・ブルーンのヘラジカのイラストのはずが、ペルーオロフ・ニュストロムの観光用ポスター。聞けば、書籍として書店でも販売しているが、そちらのほうにヘラジカイラストのカバーがついているとか。ヘラジカのイラストがよかったので、帰りに書店で購入。なぜ差異をつけるのだろう。