大阪日本民芸館

民藝に興味を憶えて久しいが、いまだ訪れていない場所が近くにある。それは万博公園にある大阪日本民芸館。ようやく訪ねることができた。
この施設は1970年の大阪万博のパビリオンとして、わが国の暮らしの美をテーマに、東京駒場にある日本民藝館が出展したもので、閉会後は西の日本民藝館として装いを新たに開館した。初代館長は浜田庄司さんが務め、現在は柳宗理さんが東京の日本民藝館と兼任している。
今度の企画は、庄内地方に伝わる伝統衣装破衣(かずき)と古丹波。破衣はむかし東京の日本民藝館でも見たのだが、あらためてその美しさを堪能した。古丹波ははじめてだったが、深い色合いや灰色の釉薬がとても美しいと思った。
土産はずっと読みたかった『少年民藝館』著者はやはり民藝運動を興したひとり外村吉之介さん。見せかけだけの駄目なものや、着飾っただけの怠けもの、高くて威張ったような道具ではなく、健康で無駄のない、威張らない美しさを備えた、よく働く工芸品たちを紹介している。
本を包んでくれた袋は万博のときのデッドストック。作りすぎてまだまだ余っているのだと、応対してくれた白川由美似のおばさまが話していた。