天平文化と細野さん

竹中大工道具館で『天平の匠に挑む―古代の知恵vs現代の技術』を鑑賞。10年におよぶ唐招提寺金堂の解体修理の模様を30分にまとめた映像があったが、いくらなんでも端折りすぎ。でも白布でぐるぐる巻きにされた三尊が境内から出ていく場面などに目を細めた。

右は法起寺三重塔の1/20模型、左は法隆寺夢殿の1/20模型。相輪や宝形は実物同様金属でつくられ、夢殿のほうは鬼瓦まで再現。組物も正確につくられていた。
唐招提寺金堂の1/10模型が展示していなかった。東京会場で展示しているのを見て楽しみにしていた。個人的には彩色文様の復元よりも模型の方を展示してほしかった。

左は唐招提寺金堂の三手先組物の1/2模型。大阪工業技術専門学校の生徒さんが卒業制作としてつくったそうだ。B1階の原寸模型とは異なり庇から軒にかけて広範囲。桔木も見られる。

解体修理の番組で映っていた年輪読取機。番組では樹皮が残っていた地垂木を用い、年輪を一本一本カウントした結果、金堂は781年に伐採された木材で建築されたことを特定した。

梅田へ戻り、グランフロント大阪で開催中の『細野観光 1969-2021』を鑑賞。細野さんの音楽はよく聴くが、それ以外のことはあまり知らない。だから子供のころ漫画家志望だったことや、あんなにたくさんのプリミティブな楽器を集めていたことなど知らなかった。外周には誕生から現在までの経歴がプリントされたスクリーン。これだけでも見ごたえあり。
ベニヤと角材を用いたチープな会場構成は悪くなかったが、床に敷いたベニヤのせいで段差ができて何人かつまずいていた。この雰囲気ならゼブラテープを貼ってもよかったのでは。

まさかの横尾忠則さん画『歌うシェヘラザード』と『ハーレム・ミュージシャン』。一度観てみたかったが、ベニヤ壁に掛けてよいのか?よいのか。

安藤さんのサインがあった。お二人の写真は先日の対談のときのもの。ラジオで対談の模様を聞き、なぜ細野さんがお相手だったのか知れた。朝日新聞社が協力していたからだ。映画のほうも製作委員会に朝日新聞社が加わっている。そしてこのサインは『こども本の森 中之島』の出張ブースに書かれている。みんな予定調和だったわけだ。

細野さんのサイン。展示の中にサインの変遷があったが、これで何代目なのだろう。グッズは買わないと決めていたが、イカしたデザインのTシャツとトートバッグを買ってしまった。