季節外れのサンタクロース

宅配便が届いた。誰からだろうと差出人を見ると、とてもよく知る方の名前。でもどうして私の住所を知っているのだろう。しばらく考えてハッとした。
ずっと前から探している本があった。それはとても素敵な本なのだが、知るのが遅く、すでに絶版だった。書店や古書店、ネットのお店も探したが見つからなかった。それで最後の手段と、畏れ多くも著者へ直談判したのだ。「どうしても手元に置きたいので、もしそちらに在庫があるのでしたら、譲っていただけないでしょうか」と手紙を書いた。
待てど暮らせど返事はなかった。当たり前だ。読者のリクエストにいちいちつきあっていられない。でも半年後にプレゼントが届いた。逸る気持ちを抑えて封を切ると、探していた本と手紙が入っていた。「ずいぶん前に手紙をもらったけど紛失してしまって。ようやく出てきて送り先がわかったので、ご希望の本を差し上げます」
直筆の署名入りの手紙だった。やはりあの方は応えてくださった。とてもやさしい方なのだ。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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