山海図絵とヨルク・シュマイサー

不染鉄の『山海図絵』を観に行った。場所は比叡山の中腹にある『木下美術館』という私設ギャラリー。山を切り開いてつくられた大きな住宅地の中にあって、一風変わった住宅といった趣き。平日の朝一番に訪れたので人はまばらで、心ゆくまで堪能した。
京都へ戻り、国立近代美術館で『河井寛次郎』展を鑑賞。そのあと近鉄京都駅へ行き、特急に乗って奈良へ。鈍行と15分しか違わないが乗りたい気分だった。朝京都へ行くときに乗った京阪のプレミアムカーは、一人席でゆったり快適だったが、有難味はあまり感じられなかった。
奈良では市立美術館で『ヨルク・シュマイサー』展を鑑賞。カラヤンのトゥーランドットのジャケットがこの方の作品だと知り、オリジナルを観てみたかった。
旅する版画家と称され、欧米、中東、アジア、ついには南極まで訪れ、目にした風景を銅板に込めたそうだが、朽ちたような色合いや、平面を挿したりコラージュにした作品は設計図のようにも見え、独特の表現がすばらしいと思った。