映画の日にはしご

劇場のポスターケースに主要キャラクター12名が並んでいた。絵になると思い撮影したが、各人が小さすぎて誰が誰だか。しょうがないので劇場入口に置いていたミニパンフの写真を。
映画の日に『フレンチ・ディスパッチ』と『名付けようのない踊り』をはしご。『フレンチ・ディスパッチ』はウェス・アンダーソン監督の最新作だが、劇場を出てハッとした。監督の作品は何本か観ているが、1本も観返したことがない。借りたことはないし買ったこともない。
面白くないわけではないのだが、独創が過ぎるというか、マスターベーションが過ぎるというか。前作『犬ヶ島』は日本が舞台だったが、いくら日本が好きだとしても、あれほど全面に出されては白けてしまう。度が過ぎた部分に白けてしまうのだろう。
本作もその傾向は多分にあったが、レア・セドゥの完全な裸体を拝めたのでそれで帳消し。ベニチオ・デル・トロを相手役に選んだところは気が利いていた。ピュアな役どころのようだが、実際の彼は勝手ながら絶倫だと踏んでいる。警察署長役は『007 慰めの報酬』で悪役を演じたマチュー・アマルリックだとすぐにわかったが、記者役がボンドの盟友フェリックス・ライターを演じたジェフリー・ライトだとは気がつかなかった。かつらのせいだろう。ティモシー・シャラメは『DUNE』のときもそうだったが、ファンと思しきお姉さまが数組いらっしゃった。
オープニングのSEARCHLIGHT PICTURESのロゴはおそらく初見。そういえばディズニーに買収されたのだった。公式サイトがパッとしないと思ったが、ディズニーと同じデザインだった。ロゴは四角四面となり、20th CENTURY FOXのときのような迫力や面白さがなくなった。これだけ持ち主が変わったのだから、もはや伝統に縛られず新しくすればいいのに。
新梅田シティへ移動して『名付けようのない踊り』。北ヤードの抜け道が移動していたが、完成後の位置なのだろうか。南北とも鉄骨が建ちはじめた。工期は2年くらいだろうか。大きな公園ができることには賛成だが、ビルはこれ以上必要ないだろう。
本作は田中泯さんのドキュメンタリー。『たそがれ清兵衛』しか知らないので観ておこうと思った。29歳で独自の踊りをはじめ、40歳で農業をはじめた。ジムで鍛える筋肉ではなく、農作業でつく筋肉のほうを選んだ。76歳とは思えないしなやかな身体をされている。
過去の踊りや本作で撮り下ろした映像に、山村浩二さんによるアニメーションが挿されている。見ごたえのある2時間だったが、全編通して静かなので何度か眠気に襲われた。肝心の踊りは凡人の私には理解が難しい。最後の踊りのあと「しあわせ」とつぶやいていたことも。
ほぼ日でもインタビューが掲載されていて、そちらのほうが田中泯さんの思考が詳しい。