よい天気だった。空は雲ひとつなく晴れ渡り、風はなく汗ばむほどの陽気。花粉症がつらくなければ満点だったが、よいものを観たので文句は言うまい。
美術展をはしごした。午前中は梅田大丸ミュージアムで『グランマ・モーゼス』展。季節ごとに並べられた作品はどれも色使いが鮮やかで、見ていて楽しかった。人物は抽象的に描かれているが、風景は細かく描かれていた。切り抜きを見ながら描いたので、写実的になっているのだろう。四季の中では冬がよかった。真っ白な画面の中に、常緑樹の緑や、色とりどりの服を着た人たちが描かれていて、いのちの温もりが伝わってきた。
午後は京都国立近代美術館で『河井寛次郎』展。寛次郎さんは生涯で何点の作品を作ったのだろう。はじめて見る作品が多くあった。展示点数は270点。至福の時間だった。
陶磁器試験場の時代、柳宗悦さんらと過ごした民藝の時代、そして万事から開放され己の造形に邁進した時代。どの時代の作品も好きだが、最後の時代は自由闊達でいきいきとしている。