炎暑の京都

コロナ渦の前に計画していた杉本博司さんの展覧会ふたつ。暑くなりそうだったが敢行した。
その前に、午前中は大山崎山荘美術館で『河井寛次郎』展を鑑賞。山手館は山本爲三郎氏にまつわる展示で、実際に山本家で使われていた器などが展示されていたが、点数が多すぎて部屋がせせこましく、展示ケースのやっつけ感が残念だった。本館の常設ケースまでは望まないが、もう少しつくりがよければ器の見え方も違ったのではないか。三國荘で使われていた黒田辰秋さんのテーブルとチェアが素敵だった。材質は欅だろうか。重厚で風格があり堂々としていた。
お昼ご飯を食べ、予約時間になったので京都市京セラ美術館へ。改修前をさっぱり覚えていないが、若い人が好みそうな今風の洒落た美術館に変容していた。
杉本さんの展示は期待外れだった。はじめて観る作品は『OPTICKS』や『瑠璃の箱』だけで、『光学硝子五輪塔』も『仏の海』もすでに観ていた。蒐集品ははじめて観るものが多くあったが、展示ケースがいまひとつで、むかし観た歴史の歴史展ほどの感動はなかった。池に設えられた『聞鳥庵』も「ああなるほど」で終わってしまった。きっと暑さのせいだろう。

次は細見美術館。こちらは杉本さんが表装した表具にスポットを当てた展示だった。
古い書や絵、ご自身が撮影した写真などが自由に表装されていて、まさにタイトル通り飄々としていた。表具に合わせて設えられた様々な工芸品も見ごたえがあった。ウォーホールのサインを表装した表具と、古いキャベル・スープ缶を並べだ展示は愉快だった。

細見美術館を出て見上げた空。不思議な光が漏れていてきれいだった。
運動のためにと祇園まで歩くことにしたが、この日にそれは無謀だった。気温は38度。でもずいぶん進んでいたので、そのまま歩き続けて鍵善良房へ。むかし美術館「えき」KYOTOで観た『黒田辰秋』展でこのお店の什器が紹介されていて、ずっと訪れたいと思っていた。
ドアを開けるといきなり対面した。黒田辰秋さんが設えた飾棚ふたつ。いずれも欅に漆を塗ったもので、年月を経た木目や金具が美しかった。裸で置かれている器のなかには河井寛次郎さん作らしきものも。触れてみたかったが、そんなことをすれば罰が当たる。棚の上にある箱には螺鈿細工が施されていて、これらも黒田辰秋さん作と思われた。

せっかく訪れたので、喫茶室でお店の名物のくずきりをいただいたが、注文を受けてから作るくずきりは舌触りがとても滑らかで、黒蜜もとても美味しかった。土産に鍵もちを買った。
今日は杉本さんより、黒田辰秋さんや河井寛次郎さんに軍配が上がったか。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です