軍艦島

最後の佐世保出張なので、プライベートの予定を挿し込んだ。昨日は朝の飛行機で移動し、午後から軍艦島ツアーに参加。今日は仕事のあと福岡へ移動し、むかしの仕事仲間と再会した。
軍艦島上陸は夢だったが、禁じられていると聞いていたのであきらめていた。今度の佐世保出張が決まったとき、これで最後なので長崎観光でもするかと調べていたら、軍艦島に行き当たった。やっぱりよい、行ってみたいと調べ進めるうちに、軍艦島へ上陸できるツアーを見つけた。上陸日限定・完全予約制・上陸地域限定で、2009年から行われていた。
さっそくツアーのウェブサイトへ行き、予約状況を確認すると、昨日午後の部で1名残っていた。なんという幸運。即申し込んだ。こうしてあっけなく軍艦島上陸の夢が叶った。

ツアー客は50名ほどだったろうか。乗船前、船中、上陸後と何度も説明や注意を受けた。世界遺産に登録されたので、より慎重になっているのだろうか。
上陸すると、手摺のついた見学通路が整備されていた。その範囲は本当に狭く、船着場から護岸沿いを250mほど歩くだけ。建物内はおろか、居住地域にさえ入れなかった。危険なのでやむを得ないのだろう。でもそれでもよかった。山頂にある大きな貯水槽、採炭のための竪穴、石炭を運ぶコンベア、鉱員のための共同住宅などを観ることができた。日本で最初のRC造。廃墟となった目の前の光景に、160年に渡る繁栄や衰退、人々の暮らしに思いを馳せた。
今日の仕事は検査の立ち合い。何度も経験して時間もおよそ把握していたが、いつもより時間がかかった。現場から佐世保駅まで業者さんが車に乗せてくれたが、駅の手前で大渋滞。予定していた列車に乗れなかった。移動中「あとどれくらいですか?早く来てください。○○さん帰ってしまいますよ」と何度も幹事から心配そうなメールが届いた。博多駅からタクシーを飛ばし、1時間遅れでお店へ到着。口々に「遅い!」と罵声を浴びたが、みんなの顔は笑っていた。
大学を卒業してはじめての仕事が福岡だった。大阪で2年間設計を手伝い、着工すると現場行きを願い出た。はじめての仕事でしかもビックプロジェクト、完成まで見届けたかった。
同窓会には師匠やお世話になった方々、CADオペの連中が参加してくれた。師匠とは20年ぶりの再会だったが、あの頃と変わらぬお姿がうれしかった。素敵な夜だった。