雨を慈しむ

梅雨は好きではないが、この季節にしか見ることができないものがある。
雨降るなかでこの花を見ていると、鬱陶しい気持ちがどこかへ消えてしまう。濃い緑の葉に浮かぶ花は小さく可憐で、まるで雨を慈しむかのように咲いている。
東京へ来て驚いたことのひとつはアジサイの数。歩道の植込にまで植えられている。大阪ではこんなに目にしない。伊豆が原産地だそうなので、こちらのほうが数が多いのだろうか。
さらに驚いたのが画像のアジサイ。おそらくはじめて目にする。ガクアジサイというそうだが、じつはこのかたちがアジサイの原種で、ふだんよく目にする西洋アジサイは改良種だそうだ。
ちなみに、丸が小さいヒメアジサイは、かの牧野富太郎さんが改良したとか。きっと牧野植物園にはたくさん植わっていて、ちょうどいまごろは見ごろなのだろうか。