祝福

是枝裕和監督の新作を観た。きっかけは坂本美雨さんのラジオ番組。監督がゲスト出演し、映画に使用された曲『Aqua』について話したそうで、radikoのタイムフリーで聞いてみた。
映画の舞台は湖畔の町だが、夜の湖を思い浮かべた時に、音楽は坂本龍一さんがいいと思ったそうだ。仮編集した映像に既存の曲をあてていったそうで、撮影をすべて終えて出来上がったものを送ったところ、快諾してくれたそうだ。別のインタビューで話していた。
曲は入れ替え差し替えされたそうだが、最後の場面にあてた『Aqua』だけは動かなかったそうで、この曲は何かを寿いでいるようだと監督。それもそのはず、この曲は坂本美雨名義のデビュー曲として作られたもの。父から娘への「おめでとう」が込められているに違いない。
美雨さんは「また泣いちゃう」と漏らしていたが、私もラストシーンでは涙がこみ上げた。晩年のゆったりとした演奏もいいが、あの場面には『BTTB』収録のオリジナルバージョンがとてもよく合っていた。まさしく2人の未来を祝福しているようだった。