鶏と風神雷神

推定樹齢400年の黒松。全体が入らないので、面白く見えた影を撮ってみたが何のことやら。
今日一日だけ若冲が拝めると知り、朝から西福寺を訪ねた。毎年この日に作品を陰干しするので、どうせなら観てもらおうという粋な計らいだそうだ。拝観は無料なのに、パンフレットと記念プレートをいただけるという懐の深さがありがたい。
なぜ豊中に若冲があるのだろうかとパンフレットを読めば、1788年の『天明の大火』で若冲はすべてを失い、しばらくこの寺に厄介になったそうで、滞在中の生活費を稼ぐために描かれたそうだ。それが本堂の襖六枚からなる『仙人掌群鶏図』や、この襖の裏側に描かれ現在は掛軸に改装された『蓮池図』『野晒図』『山水図』
鶏といえば動植綵絵の『群鶏図』だが、こちらの鶏も負けていない。『蓮池図』もそうだが、襖六枚の幅をたっぷり使った構図がすばらしく、一枚に一羽だけ描かれた雄鶏の堂々たる姿に惚れぼれする。一方『蓮池図』は墨一色で描かれた静かな作品。画面のほとんどを描かず池に見立て、下縁の畔に二本だけ描かれた蓮の葉は繊細で精緻。久しぶりに持ち出した単眼鏡を覗けば、葉脈の一本一本まで描き込まれていて驚いた。
もっと観ていたかったが、京都芸大の生徒がわんさか押しかけてきたので、後ろ髪を引かれる思いで寺を後にし、『琳派』展を観るために京都国立博物館へ移動。

公式ツイッターの入場制限にためらうも、この勢いはきっと最終日まで衰えないだろうと奮い立ち、えいやと飛び込んだら150分待ち。昼食時を狙ったのに。おかげで谷口さんが設計された建物の外観を堪能した。今度もお金がかかっていて羨ましい。ごちているうちに1時間経過。90分を残し入館できたと喜んだが、建物の中でも列は続き、結局2時間並んだ。でも会場へ入っても人ごみがなくなるわけではなく、お目当ての『風神雷神図屏風』へ着くころにはへとへとに。
じっくり堪能することはできなかったが、それでもはじめて観た『風神雷神図屏風』の凄さはずっと脳裏に焼きついている。しかも俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の『風神雷神図屏風』を並べて観られるとは、なんという幸せ。

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