『ヤンファーブル×舟越桂』展を観に金沢へ。トークセッションの整理券が10時から配られるのに、大阪からその時間に間に合う列車がない。だから前の晩夜行バスに乗った。でも本当は夜行バスには乗りたくない。少しでも揺れると目を覚ましてしまうので、ほとんど眠れず次の日がしんどい。案の定講演中にウトウトしてしまった。
展覧会は少々期待しすぎた。舟越さんの新作の『青』に強く惹かれ、舞い上がってしまった。結局新作はこれともう1点だけ。でもトークセッションで舟越さんも言っていたが、展示室11はよかった。彫像やドローイングの配置やバランス、彫像を照らす裸電球、これらを包む高天井。印象に残る展示だった。一方、はじめて見たヤンさんの作品は驚きっぱなしだった。本物の甲虫をまとった頭蓋骨や天使、本物の骨をスライスしたものをつないで作った天使、長大なテーブルに並んだフクロウの頭など、見た目にグロテスクなものばかり。トークセッションで本人の解説を聞いて意図は理解したが、生理的にどうにも受けつけられなかった。
トークセッションまで時間があったので、昼食のあと隣の兼六園へ。苔寺として有名なのは桂の西芳寺だが、ここも相当な苔具合でとても美しかった。
金沢駅で図録を読んでいて唖然とした。トークセッションの内容がそのまま載っていた。整理券をもらうために嫌いな夜行バスに乗ったのに。往復割引券を買っていたが、悶々としたので帰りは列車にした。幕の内とビールをやりながら、夕焼け空の北陸を眺め心を鎮めた。