小屋においでよ!

金沢21世紀美術館で中村好文さんの『小屋においでよ!』展を鑑賞。ギャラリー・間には行けなかったので、金沢へ巡回すると知って楽しみにしていた。
展示は7つの小屋、Hanem Hutの資料がまとめられた蚊帳小屋、Lemm Hutや過去につくった小屋などの資料、そして中庭につくられたHanem Hut。モダンな美術館の中庭に、一風変わった小屋があるので、目を引かないわけがなく、興味津々に次々押しかけていた。
エネルギー自給自足を目指す実験小屋Lemm Hutの経験をもとに、サイズダウンして、ひとり暮らしのための小屋へと仕立てられたHanem Hut。平面サイズは3m×4m。鴨長明の方丈(3m×3m)と、ソローの小屋(3m×4.5m)との間を狙ったそうだ。
室内は中村さんの世界一色。テーブル、チェア、ソファベッド、バランサーつきペンダント、薪ストーブ。キッチンには氷冷蔵庫や七輪のコンロ。小さなキッチンだがディテールに手抜きはない。水回りはワンルームで、トイレは水のいらないコンポストで、シャワースペースもある。
コンポストといえば、この小屋はHanem Hut同様ライフラインに繋がっていない。だから屋根の上にはエネルギータワー。風力発電、太陽光パネル、貯水タンクが備わっている。

小屋の内部見学は予約制で、すぐに入れなかったので、時間が来るまで近くにある『鈴木大拙館』を見学。失礼ながら笑ってしまった。谷口さんの設計だと一目でわかる。端正でシャープでディテールに手抜きがない。安藤さんの建築も一目見てわかるように、これはもう谷口調。よいのか悪いのかわからないが、でもとにかく美しかった。