BEING JAMES BOND

公開まで残り20日。ワールドプレミアのチケットが発売されたそうなので、これでもう延期はないと思うが、トップガンが来年へ延期すると発表したので、まだ油断できないだろうか。
ドキュメンタリー『ジェームズ・ボンドとして』もApple TV+で配信が始まったが、Apple TVや他の視聴可能なデバイスを持っていないし、べつに観なくてもいいだろうと思っていた。ところが昨日届いたメール『BOND NEWS』のリンクをクリックすると、ブラウザにはApple TV+の作品ページと「Vie in iTunes」のボタン。iTunesでも視聴できるのだ。後で気がついたが、Apple TVアプリをインストールしたiPhoneでも視聴できる。
せっかくなので視聴してみたが、思いのほかとてもよかった。十数年にわたるダニエル・クレイグと5作品の足跡が、コンパクトながらうまくまとめられていた。
冒頭はダニエルが新ボンドに選ばれた当時の世間の反応。「金髪」「不愛想」「魅力がない」「短身」「醜い顔」などと強烈なバッシングを浴びせたくせに、海でのシーンをパパラッチされ、鍛えられた肉体が晒されると、手のひらを返して喝采を博した。
たしかにダニエルボンドは前人たちほど華やかではないかもしれない。でも『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』『スカイフォール』『スペクター』は、ダニエルボンドだからこそ成立した作品だと思うし、『No Time To Die』もきっとそうに違いない。
最後は『No Time To Die』でのダニエル撮了後のスタジオ。感極まったダニエルが、バーバラ・ブロッコリと抱擁する場面で流れるのは、『愛はすべてを超えて』のインストゥルメンタル。『女王陛下の007』で、ルイ・アームストロングがボンドとテレサへ捧げる愛の歌。『カジノ・ロワイヤル』が『女王陛下の007』を受け継いでいることに引っ掛けているのだろうか。
冒頭に流れていたピアノ曲も素敵だった。クレジットからBrice Davoliさんの『Naysayers』ではないかと思うのだが、ネットを検索してもヒットしない。Naysayerとは”強く否定的な態度を取る人”だそうだが、ダニエルを指しているのか。だとすれば書き下ろしだろうか。