You Ain’t Heard Nothin’ Yet

投稿タイトルは「お楽しみはこれからだ」の英語原文。意訳だったとは露知らず。
スイッチ・パブリッシング『ISSUE 和田誠のたね』。『ISSUE』とは雑誌『SWITCH』の前身だそうで、このたび復活・新創刊することとなったそうだ。それで第一弾が和田誠さん。
ほぼすべてがインタビュー。幼少期まで遡り、和田さんの仕事や作品の源泉を探る。インタビューは和田さんが思いつき、インタビュアーは和田さんが指名。定期的にインタビューは行われたが、インタビュアーが多忙となり一時休止。再開することなく和田さんは亡くなってしまったそうだ。だから高校生の頃までしか聞けていないが、すでに和田誠は完成していた。驚いた。
巻末に掲載された谷川俊太郎さんの寄稿『終始一貫和田誠』より。

私は子どもの頃の彼を知らないし、彼の描いた絵、彼の書いた文章には変化の跡がないわけではないけれども、人間和田誠は誕生の瞬間からコンスタントに和田誠であったと私は断言したい。こういう風に断言したくなる人間が私の周囲にいったい何人いるだろうか。

それにしてもカバーに惹かれる。和田さんの画だろうが、オリジナルは知らない。原画の通りなのかトリミングされているのか、簡素で大胆な構図。そして紺鼠。