Dr. Capital

ドクター・キャピタルを知ったのは、YouTubeで岡本真夜の『TOMORROW』を観ていたとき。ウェービーボブでスーツ姿の外国人が、いきなり流暢な日本語、しかも京都弁でしゃべりだしたので驚いた。「まいど!ドクター・キャピタルです」。
彼の動画はおもにJ-POPをアコギ一本で演奏して歌うというものだが、演奏はとても上手だし歌声も素敵。それもそのはず、名前のドクターは伊達ではなく博士号を取得していて、現在はノラ・ジョーンズを輩出した北テキサス大学で教鞭をとっているとか。
彼の動画はただギターを爪弾きながら歌うだけでなく、お気に入りの部分を理論的に解説するのだが、わからないくせに見入ってしまうのは、キリンジ『エイリアンズ』、YMO『Behind The Mask』、安田成美『風の谷のナウシカ』、Dreams Comes True『大阪 LOVER』、チャットモンチー『ヒラヒラヒラク秘密ノ扉』、Perfume『ポリリズム』などの好みの曲の、お気に入りの部分のうまく説明できないところを、理論的に面白くレクチャーしてくれるから。
テンションコード、ドミナントコード、クロマチックメディアントなどの用語はとっつきにくいが、それをカバーする話術とテクニックがすばらしい。デジタルディレイを駆使して『Behind The Mask』の全パートをアコギだけで演奏してしまうところや、『ポリリズム』で2種類の4拍子を弾きながら5拍子で歌う変態プレイにワクワクしてしまう。

フォルダー

画像:Microsoft

Windows 10 Insider Previewの最新版では、システムアイコンのデザインが一新されたそうだが、エクスプローラーのフォルダーのデザインはあまりよくない。でも私の場合この部分は普段閉ざしているので、どのようなデザインになっても気にならない。
いつも思うことだが、これらのフォルダーは必要だろうか。私は独学でパソコンをはじめたので、これらのフォルダーの使い方を知らなかった。はじめから、データは自分で決めた場所に保存するものだと思ったので、なぜアプリケーションが勝手に保存場所を決めようとするのか不思議だった。自分で保存場所を決めないと、あとでどこに保存したかわからなくなるだろう。
必要ないと思っているもうひとつは設定のホーム画面。いつからか上に帯ができ、アカウント、OneDrive、Windows Update、リワード、Web閲覧と表示されるようになった。
アカウントは自分の画像が一向に表示されず、代わりに表示される低解像度の人型は見るに堪えない。OneDriveとWindows Updateはただのショートカット。リワードは利用していない。そもそも利用者はいるのだろうか。Web閲覧はブラウザをEdgeへ変更させようとするもの。Safariもそうだが、なぜそうまでして推したり強制したりするのだろう。iPhoneは既定のブラウザを変更できるようになったが、Safariを完全にアンインストールすることはできない。

それでもシネコン

五十嵐威暢さんデザインのロゴネオン。渋谷店はPだったがこちらはO。文字の選択に法則があるのだろうか。それとも、じつは5文字すべてが館内に点在しているのだろうか。
映画『JUNK HEAD』を鑑賞した。場所は心斎橋パルコにあるイオンシネマシアタス心斎橋。3月16日にオープンしたばかりだそうだが、じつに不思議なシネコンだった。
部屋は7つあるのだが、一番大きな部屋で80席しかない。平均すれば一室50席程度しかなく、テアトル梅田のシアター2より小さい。『JUNK HEAD』を上映する位なので、マイナー作品専門のシネコンでよいのではと思うが、『騙し絵の牙』を上映する位なのでそのつもりはないのだろう。でも果たしてこの劇場でメジャー作品や大作を観ようと思うだろうか。
心斎橋パルコは、新築ではなくそごう心斎橋店だったビルに入居している。劇場は12階だが、そごうだった時は普通の売場だったので、柱がたくさん並んでいる。部屋を大きくすれば柱が出てきてしまうので、小さく区切らざるを得なかったのだろう。普通の売場なので階が低く、床の傾斜を設けることができない。入った部屋は段が1段しかついていなかった。
最後列に特料席が並んでいたが、一番観やすいからではなく、テーブルを回転させなければならないからだろう。この劇場なら最後列でも観やすさは劣らない。最前列も特別席のようだが、追加料金がいらないのは、寝そべらないと画角に入らないからだろう。
共用部のインテリアは手が込んでいたが、ロビーは照明が昼光色なのか、白い仕上が寒々しかった。大理石と思っていた床はカーペットだったが、白いカーペットなど狂気の沙汰。部屋のインテリアは黒で、特料席の背面のみアラベスク模様。天井はグラスウール現しで、ガラスクロスの押さえピンに興覚め。天井が低いのでLEDのダウンライトがまぶしかった。唯一感心したのは、一般席も座席の間に仕切板がついていて、肘掛が両側についていたところ。席がひとつ飛ばしになっていたのもよかった。お達しの有無など関係なく、離隔を取るのは当然だと思う。
映画のことを書いていなかった。人形によるストップモーション・アニメで、舞台や世界感、人形や美術の造形が好みだった。作者の本業が内装業というところが気に入ったし、たった一人で7年もかけて制作したというところに共感を覚えた。

甜茶

花粉症とは30年来のつきあいだが、処方は市販薬で済ませている。お医者へかかっても似た成分の薬を処方されるだけだろうし、元から絶つ根治療法は受け入れ難い。
花粉を体内に入れて免疫をつける療法は、3年以上続けなければならないそうだが、その割に根治2割、改善6割、効果なし2割と頼りない。また、スギに対する療法しかないので、イネにも激しく反応する私には片手落ち。もうひとつの神経を切断して鈍感にさせる手術療法は、切ることそのものが恐ろしいし、神経を殺してよそに影響がないのだろうかと思う。
高齢になれば免疫力が低下し鈍感になるので、花粉症が治まることもあるそうだ。そうなってくれればうれしいが、それまでの辛さや煩わしさをいくらかでも軽減したい。体に優しい無理のない療法はないものか。台所に立っていたときふと甜茶を思い出した。花粉症によいと聞き、ずいぶん前に手に入れたが、独特の甘味に馴染めず棚の奥にしまってしまった。久しぶりに取り出してみたが、とうのむかしに賞味期限が切れていたのでゴミ箱へ捨てた。
ラジオパーソナリティの桑原征平さんを思い出した。むかし彼の番組で、健康食品メーカーの甜茶サプリを飲み続けていて、目も鼻も快適だと話していた。そのような話は鵜呑みにしないのですっかり忘れていたが、試してみようとひと月分の商品を注文。
飲み始めてひと月経ったが、効き目ゼロではないようだ。ムズムズはするが、鼻炎薬を飲んでいないし目薬もさしていない。それでこの程度なら上々。

IMAX≠感動

2度目のシン・エヴァは109シネマズ大阪エキスポシティのIMAX。日本最大級のスクリーン(横26m×縦18m)だそうで、体感してみたいとずっと思っていたが、期待していたほどの感動は得られず。1度目はTOHOシネマズ梅田のシアター1(横15m×縦6.3m)だったので、横は2倍、縦は3倍ほど大きかったのだが、大きければよいということではないようだ。
はじめてのIMAXは『アバター』だった。IMAXフォーマットで撮影され、フルスクリーンを考慮して画作りされたものだったと記憶している。3Dだったということもあり、迫力や臨場感が途轍もなく、とても興奮したことを覚えている。シン・エヴァはIMAXフォーマットで撮影されていなければ、フルスクリーンでもなく、上下に大きく黒帯ができていた。
そうなのだ。あの正方形に近いスクリーンに合わせた画作りでないことが、期待していたほどの感動が得られなかった理由なのだ。『インターステラー』をIMAXのフルスクリーンで観たときもあまり興奮しなかった。IMAXフォーマットで撮影はされたが、所詮IMAXはマイノリティ。そうでない映画館のほうが多いので、そちらに合わせた画作りにせざるを得ないのだろう。
そのあと大阪日本民芸館で『型絵染 三代澤本寿』を鑑賞。観たことがあると思ったが、調べるとむかし神戸ファッション美術館で観ていた。芹沢銈介さんのお弟子さんだそうだが、柳宗悦さんが没した後は民藝から距離を置き、様々な作品を創作したそうだ。
クラシックに親しんだそうで、G線上のアリアやタンホイザーなどからインスパイアされた作品があり、広告にも使われている『グラゴルミサ・幻想』が素敵だった。モノクロームで描かれた四曲一隻の屏風。両端に描かれているのは聖人だろうか。芹沢さんの『釈迦十大弟子尊像』や、棟方志功さんの『二菩薩釈迦十大弟子』に描かれている仏を見るようだった。
図録があったので購入。民芸館の展覧会で図録があるのははじめて。すべての展示室を使うほど点数が多かったので、図録を作ることができたのだろうか。作りは普通だが心意気がうれしかった。包んでくれた紙袋は、久しぶりのEXPO’70デッドストック。