ワイエスの青

ブルーブラックのインク、唐招提寺御影堂障壁画の緑青の海、映画『ティコ・ムーン』に登場するマクビー一族が流す血の青、青磁の簡素で崇高で美しい青。
青が好きなのだが、またひとつ好きな青ができた。アンドリュー・ワイエスだ。これまで意識して観たことはなかったが、『新日曜美術館』を観て彼の描く青にすっかり魅了された。いま東急Bunkamuraで展覧会が開催中で、観に行きたいと思っていたところ東京出張が決まった。
はじめて観るワイエスの絵。年月を経た木造家屋やインテリアは、どれも暗く彩度が低い。そんなところに青が差されている。それはブルーベリーだったり、器だったり、衣類だったり。トーンの低い画面の中で、文字どおり異彩を放っている。まるで閃光のように。
モノトーンの習作の中にも青が差されているのを見ると、彼のなかで青は特別な色なのだろう。なにかに青を見ると気持が高揚すると書いてあったが、たしかに私も青を見るとワクワクする。

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