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部屋を見渡せば、電池の必要な機器がたくさんある。壁掛けや目覚まし時計、デジカメ、リモコン、体重計、マウスなど。でも電池はなかなか買い置きをしない。買おうと思っていてもつい忘れてしまう。だからうちではすべての電池を充電式に換えた。
忘れっぽい性格だからこうしたのだが、じつは充電式電池は優れている。新品の電池の価格よりも充電する電気代のほうが安い。繰り返し使うのでゴミが出ない。いま世界では毎年400億本もの乾電池が廃棄されているそうだが、運搬の際に排出されるCO2は相当な量だとか。
充電池の世界シェアNo.1はSANYOだそうだ。新しく発売された充電地は、SANYOの意気込みがよく伝わる。買ってすぐに使えて、放電はしない。どんな機器にも対応し、PETのパッケージを使って環境に配慮。控え目な意匠も印象がよい。

HDDクラッシュ

公私ともにパソコンは必需品。仕事ではCADで図面を書いているし、プライベートでは写真や年賀状の住所録などを保存している。でも突然これらのデータが壊れたらどうなるだろう。茫然とするか、パニックに陥るか、それとも怒りで顔が真っ赤になるか。
OSやアプリケーション以外のデータは、すべて外付けのハードディスクに保存している。本体のディスク容量があまり多くないし、本体が不具合を起こしても安全だろうと考えてのこと。
ところが先日外付けハードディスクがクラッシュした。データを読み込めなくなってしまった。ネットでファイル復元ソフトを知り、試供版をダウンロードしてスキャンすると、多くのファイルが残っているようだったので、製品版を購入し、30時間かけてスキャンしたが、なぜかどのファイルも開くことはできなかった。
空っぽになった気分だった。そのうち腹が立ってきて、すぐにパソコンを新調した。

勲章は己のなかにしまっておくもの

部屋を見渡してみるが、うちにはGマークのついた商品がない。それより、少しはデザインについて考える私でも、Gマークのついた商品にどのようなものがあるのか知らない。
現在のグッドデザイン賞には建築・環境部門というのがあるそうだ。ある設計事務所のウェブサイトに、「今年のグッドデザイン賞に応募しました」と書いていた。でも建築がグッドデザイン賞をとってどうするのだろうと思う。グッドデザイン賞のウェブサイトを見ると、ハウスメーカーの住宅がけっこう受賞しているようだが、これならわかる。ハウスメーカーの住宅は商品なので、広告にGマークを入れればそれなりに効果はあるのだろう。でも建築家が設計した住宅の場合はどうなるのだろう。ウェブサイトにGマークを掲載するのだろうか。
そもそも世の中のどれだけの方がGマークのことを知っているだろう。グッドデザイン賞を受賞しても、Gマークを使うには使用料が必要だということを知っているだろうか。
そこまでして建築家が作品にGマークをつけるのは、単に悦に浸りたいからだろうか。建築家のウェブサイトには必ず略歴のページがあり、受賞暦が掲載されていたりするが、前から疑問に思っていた。クライアントは受賞歴を参考にしたりするだろうか。
受賞は勲章だが、ぶら下げすぎた勲章はみっともなく、嫌味に見えるかもしれない。

時をこえて

歳を取れば好みが変わる。若いころは白いスニーカーなど履かなかったが、いまでは何の変哲もないスニーカーが愛おしい。好みというより思考が変わったのだろう。洋服に大そうな労力やお金を費やすことに興味がなくなった。それよりほかに費やしたいものがいくらでもある。
いま履いているスニーカーが駄目になりそうなので、新しいスニーカーを探していたところ、コンバースのジャックパーセルを見つけた。長い間店頭になかったので忘れていた。
むかしこのスニーカーを履いたことがあった。とてもミーハーなのだが、『うずまき猫の見つけかた』の中で、村上春樹さんが愛用していると書いてあったからだ。
村上さんの洋服の好みや、小説に登場する人物たちの服装には共感を覚えていた。オックスフォードのボタンダウンにツイードのジャケット、ネイビーのワンピースやカシミアのカーディガン。どれもベーシックなものばかり。そういえば『風の歌を聴け』の授賞式に、クシャクシャにしたオリーブグリーンのコットンスーツに、履き古したテニスシューズで登場したそうだが、そのスニーカーがジャックパーセルだったのだろうか。
今年はジャックパーセル生誕70周年だとか。だから復刻されたのだろうが、これきりではなくずっと作り続けてほしいと思う。

極上の記録映画

愛知万博にはまだ行っていない。おそらく行かないと思う。前にも書いたが、『新しい地球創造:自然の叡智』という壮大なテーマを具現できているとは思えないし、人ごみは苦手。
日本での万博は、大阪万博(1970・6,400万人)、沖縄万博(1975・350万人)、つくば万博(1985・2,000万人)、花と緑の万博(1990・2,300万人)があるそうだが、行ったのは大阪万博だけ。遠いということもあるが、きっとテーマや展示に興味を覚えなかったのだろう。
大阪万博へ行ったといっても当時は幼児。2度連れていってもらったそうだが、お土産に買ってもらったパノラマ写真しか覚えていない。物心がついていたらどんなによかったか。
いまでも取り上げられ、語り継がれる伝説の万博。そんな大阪万博を知ることができるアイテムを見つけた。『公式長編記録映画日本万国博』万博開催の翌年に劇場公開されたそうで、その年の興行成績第1位を獲得したとか。

緊張しない歯医者

いま通っている歯医者は岸和郎さんの設計。たまたまなのだが、とてもよい歯医者さん。
ビルなどに入居しているわけではないので、つくりが自由にできる。3つある診療スペースの前は全面ガラス張りになっていて、壁で囲われた庭に面している。天井は高くゆったりしていて、奥行きいっぱいのハイサイドライトから陽が射し、明るいので昼間は照明がいらない。
歯医者へ行くと緊張して心臓が早鐘を打つが、この歯医者さんではそれが少し和らいでいる気がする。空間は人間の心理や生理に影響を及ぼす。あらためて実感した。